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2008.09.08
カトリックとミニ国家
先日、昨年に引き続き
富良野市の「ことぶき大学」で
講師をしておりまして
先日、本年度2度目の講義を
無事終了しました。
こちらは、昨年からのおつきあいですが
いつ行っても、受講者の方々〔といっても
私にとりましては、それぞれの受講者の方々が
人生の大先輩でありますが〕の
真剣なまなざしに、僕自身も刺激をいただくことが
できて、非常にありがたいのです。
さて、今回はテーマが「地理と政治」ということと
北京オリンピックが終わった直後であるということと
F.H.F.番組の中でも話しておりますが
グルジアとロシアの情勢がなかなか複雑になっている
といったことから
そんな話を取り混ぜて、お話をさせてもらいました。
が、グルジア情勢でも問題となってきているのが
国家の承認なのです。
ここらへんなかなか分かるようで
わからない話だということで
講義で話した内容とこれまた重なるのですが
番組でも取り上げさせていただきました。
9月8日オンエアー 第178回放送分
「FURANO History Factory(=FHF・フラノヒストリーファクトリー)」
放送を終えました。
先週、この番組でも
ロシアが、「南オセチア」「アブハジア」を
国家として認証したニュースを
お伝えしました。
国家の承認というと、
「今回のオリンピックは、204の国と地域が参加」
などとアナウンサーの方がお話されます。
何気なく使われている「国」と「地域」
という言葉ですが、
国は、なんとなく、わかります。
でも地域とは?
といった疑問をお持ちの方も少なくないでしょう。
東アジアの地域に国連加盟国は、
中華人民共和国・日本・韓国・北朝鮮・モンゴル国と
5カ国ありますが
では、AOCとFIFA加盟となると、
=中華人民共和国・日本・韓国・北朝鮮・モンゴル国・台湾・香港・マカオ
8の国と地域となり
IOC加盟となると、マカオが除かれて、7の国と地域となります。
ホンコン・マカオについては、
一国二制度の産物ということで
さておくとして
このなかで、自分のところが「国」である。と主張をしているのが
国連加盟5カ国に対に加えて
「台湾=中華民国」です。
しかもFIFAなどに未加盟ですが
独立主張があるのが
北京オリンピックでも話題にしました
「東トルキスタン」です。
[ここは、ワシントンに亡命政府があります。
チベットの亡命政府が主張しているのは、独立ではなく
高度な自治ということで、微妙に違いますね]
それぞれ独立した政権が存在しています。
さてさて、教科書的な記述によりますと
国家の三要素とは
領域(Staatsgebiet:領土、領水、領空)- 一定に区画されている領域。
人民(Staatsvolk:国民、住民)- 恒久的に属し、一時の好悪で脱したり復したりはしない人民。
権力(Staatsgewalt)ないし主権- 正統な物理的実力のことである。この実力は、対外的・対内的に排他的に行使できなければ、つまり、主権的(souverän)でなければならない。
が、国家の三要素といわれておりますが
独立した政権があり、なおかつ、他の政権の介入が及ばない
そのような地域がありますが
これが国として認められるのには
国として他国が承認をしなければならない
ということなのです。
だから国家の四要素といっても
良いような気もしますがね。
ちなみに、
有名なところでは、94カ国が国家承認をし
その他11カ国と国交を結んでいる
パレスチナとか
国土をモロッコに実行支配されているものの
約80カ国から国家承認されている
西サハラ
ここ10年以上内乱が続いているソマリアの国内にありながら
ソマリアよりも遥かに安定した政権のある
ソマリランド
それからトルコしか承認をしていない
北キプロスやなどは
この承認されていないため
国として認められない代表例でしょうか。
それと、今話題となっている
アブハジア・南オセチア・沿ドニエストル・ナゴルノカラバフ
あたりも
ここのカテゴリーでした。
ちなみに、今回のオリンピックに出場した地域は。
ケイマン諸島・チャイニーズタイペイ・香港・パレスチナ
バミュダ諸島・グァム・クック諸島・ヴァージン諸島(英・米)・
アメリカ領サモア
でした。
国連加盟が192か国(2006年7月現在)ありますが
国連に加盟していて日本が認めていないのが
北朝鮮・朝鮮民主主義人民共和国
日本が承認していて、国連未加盟なのが
バチカン市国
それから、日本は承認しているのに
国際的にまだまだ承認されていないのが
コソボ
[コソボを国家として承認しているのは
パレスチナや西サハラより少ない46カ国です]
と、いうことで
日本が承認している国の数は
世界の国の数 193です
ちなみにFIFAには
207の国と地域が加盟をしております。
さてさて、これだけあると
なかなかフシギな国もあります。
当番組でも、以前、ナウルとかツバルのお話を
させてもらいましたが
ミニ国家といえば、こちら
バチカン市国です。
バチカン市国と言えば世界最小の国家です。
面積は0・44平方kmで
よく皇居の3分の1ほどとか言われますが
富良野市で言うと、
富良野駅前から、五条通を通って
旧協会病院のところを右折して
国道を滝川側にいったら、農協のところで右折をして
そして、国道を旭川側へ向かって、
西中学校をやりすごしたところを右折すると
新相生商店街を通って、富良野の駅前に出ますが
だいたいこの範囲内に国が入ってしまうという
そんな大きさなんです。
そこに、サン・ピエトロ大聖堂や
ローマ法王が暮らすバチカン宮殿、バチカン美術館があります。
そして人口も昼間の人口は4000人くらいですが
バチカンで暮らしているのは900人弱。
中でも、国籍を持っているのは、
教皇・枢機卿、司教、司祭などの要職にある
カトリックの聖職者や、
スイス人の衛兵、外務を担当する職員など約550人です。
しかも、聖職者などの役職を辞めたら
バチカン国籍は返上しなくてはならないという
ルールもありまして、ほぼ全員が二重国籍という。
しかも、公用語が死語(ラテン語)というのも
ほかの国と比べて例のない国ですね。
なぜ、こんな不思議な国が存在しているかというと
ローマ教会が、当時のイタリア王国が教会の使用料支払いを求めたことと
これを教会が拒絶したことから、
イタリア政府とカトリック教会が断絶。
これを改善することが、自分の国際的地位を他決めることにつながる
と考えた、ドゥーチェ、ベニート・ムッソリーニです。
1929年に結ばれたラテラノ条約で
教皇庁のあるバチカン一帯が「バチカン市国」として
イタリア政府から政治的な独立が認められました。
そして、イタリア政府は教皇庁に対して、
対外的に永世中立であること
イタリア国内の政党間の争いにおいて特定の政党に与しないこと
を求めました。
一方でイタリア政府はカトリックがイタリアの宗教において
特別な地位を有することを約束し、
イタリア王国が行った
1870年の教皇領の没収への補償として
教皇庁への資金調達を行ったのです。
そんないきさつで独立をした
バチカン市国ですが
日本はじめ178ヵ国と国交を結んでいます。
が、日本にバチカン市国大使館というのは存在せず、
代わりにローマ法王庁大使館が置かれています。
ローマ法王庁とはカトリックの最高権力機関で、
全世界のカトリック教会を統率しているのですが、
バチカン市国の行政を担当するバチカン政庁や
バチカン市国委員会は法王庁の一部局にすぎない。
つまりローマ法王庁が親会社なら、
バチカン市国は子会社といった関係で
宗教の一部門として
国家が運営されているという
特殊な状態なのです。
だから、バチカンという国家と国交を結んだつもりでいたら、
カトリックという宗教組織に
治外法権の「大使館」を作られてしまうのですね。
また、バチカン市国は前述のとおり
国連に加盟していませんが、
かわりに法王と法王庁を総称する
聖座(Holy See)という名義で
投票権を除くすべての権利を認められた
オブザーバーとして加盟をしています。
この点でも
特殊性がわかるでしょう。
が、このバチカンを上回る
不思議な地域があります。
それが、
マルタ騎士団
こと
ロードス及びマルタ、エルサレムの聖ヨハネ病院独立騎士修道会
なのです。
見てのとおり、カトリックの騎士修道会です。
騎士修道会とは
十字軍時代にセイチイェルサレムへの
巡礼者を防衛・援護・救助することを目的に作られた
ローマカトリックの修道会です。
現在唯一主権をもった騎士修道会として
存続しているのが
マルタ騎士団なのです。
ルーツをたどると、第1回十字軍の後、1100年ごろ、
日本では院政期のころですが
巡礼保護を目的としてエルサレムで設立されました。
正式名称から明らかなように病院をもっていて
ことに病気になった巡礼者の保護に務めました。
13世紀末に、十字軍勢力がパレスチナから追われた後は
最初は、キプロス、ついでロードス島を根拠として、
聖地巡礼をするキリスト教徒の重要な経由地の守護者、
ムスリム(イスラム教徒)に対する聖戦の実行者として活躍しましたが、
(とはいえ、ロードス島周辺をおさえていたのが
ビザンツ帝国で、これまたキリスト教国。
ただ、同じキリスト教でも、ビザンツは正教会で
カトリックとは対立をしていたので
そんなに矛盾は生じませんか。)
16世紀初頭、オスマン帝国のスレイマン1世により
ロードス島は陥落。
本拠をスペインより割譲されたマルタ島に移して、
マルタ騎士団と
呼ばれるようになりましたた。
しかし18世紀末、ナポレオン・ボナパルトの侵攻により
マルタ島を奪われ、領土を失い
再び、流浪を余儀なくされます。
が、ナポレオンの死後、
ウイーン議定書で
マルタを、地中海を経由してインドにいたるルート上に
位置することから重要視していたイギリスが領有。
ウイーン会議の本旨は
正統主義といって
ナポレオン以前のヨーロッパに
もどすことでしたが
結局、マルタ騎士団は、
イギリスから国としての特権だけを
与えられたという形になってしまいました。
その後、1834年 ローマ市内に本部が置かれ
1869年に、ローマの本部ビルに対して、イタリアが治外法権を認め
1961年に「ロードス及びマルタ、エルサレムの聖ヨハネ病院独立騎士修道会」
となって
ここを拠点として現在でも世界各地で
病院の運営や医療奉仕を続けているのです。
だから、領土を失った後も、
マルタ騎士団は独立国家と同様の主権を有しています。
ローマに本部ビルを保有し、
バチカンのようにイタリアから独立領土として
承認されてはいないものの、
治外法権を認められている建物は
一種の大使館と見なすこともできます。
しかしその建物はあくまでイタリアの主権範囲であり、
治外法権が認められただけであるため、
領土とは呼べず、実質領土のない国なのです。
ただし、世界96カ国と外交関係を結んでいて
1994年には、国際連合のオブザーバーにも
なっています。
が、これは、どちらかというと
医療を行うNGOとして、
だから立場的には
同じくオブザーバーとなっている
赤十字に近いのでしょう。
世界はまだまだ
不思議がいっぱいです。
ちなみに、僕自身が「マルタ騎士団」や
「沿ドニエストル」などの存在を知ったのが
当ブログでも紹介しておりますが
吉田一郎さんの著作「国マニア・世界の珍国、奇妙な地域へ!」
(交通新聞社 刊)です。
混迷するグルジア情勢を考える
一助にもなるでしょう。
よろしければ一読をおすすめします。
あと、吉田さんが運営されているサイト
世界飛び地研究会も
濃い情報が満載で
目からうろこがボロボロと落ちること
請け合いであります。
http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Lake/2917/index.html
さてさて、
旧ソ連のお話に戻りますが
南オセチア、アブハジア、沿ドニエストル、ナゴルノカラバフ
のお話は以前番組内で話しましたが、
最近、さらにあらたな動きが
ウクライナで起きているという。
来週は、そんなお話であります。
ダライ・ラマ14世の、チベットに対する提案は以下の通り。
(1987年、アメリカ議会の人権問題小委員会での「チベットに関する5項目の和平案」)
・チベット全土を平和地域とする
・チベット民族の存続を脅かす中国の人口移動政策を放棄する
・チベット民族の基本的人権および民主主義に基づく自由を尊重する
・チベットの自然環境を保護し、回復させる。チベットでの核兵器の製造、核廃棄物の投棄をしない
・チベットの将来の地位について、また、チベット人と中国人との関係について、真剣な交渉を開始する
そして、チベット人による本当の自治権が得られれば独立は求めないと譲歩しました。(1988年、「ストラスブール」提案)
国際情勢は複雑で、短い時間の中で、
あれもこれもと思うとどうしても時間が足らず
どう精査しようかと、
日々考えている「イトー×ani」がお届けする
FURANO History Factory (F.H.F.フラノヒストリーファクトリー)
コールサインJOZZ1AS-FM 周波数77.1MHz
北海道富良野市とその周辺で聴くことが出来る
コミュニティーFM局「ラジオふらの」の
毎週月曜日午後五時からオンエアー中
番組へリクエスト・メッセージは
〒076-0026 富良野市朝日町5-17 レストランふらの広場内ラジオふらの
E-mail radio@furano.ne.jp FAX 0167-22-2787
リクエストなどは
当ブログのコメント欄でも
受け付けています。
富良野市の「ことぶき大学」で
講師をしておりまして
先日、本年度2度目の講義を
無事終了しました。
こちらは、昨年からのおつきあいですが
いつ行っても、受講者の方々〔といっても
私にとりましては、それぞれの受講者の方々が
人生の大先輩でありますが〕の
真剣なまなざしに、僕自身も刺激をいただくことが
できて、非常にありがたいのです。
さて、今回はテーマが「地理と政治」ということと
北京オリンピックが終わった直後であるということと
F.H.F.番組の中でも話しておりますが
グルジアとロシアの情勢がなかなか複雑になっている
といったことから
そんな話を取り混ぜて、お話をさせてもらいました。
が、グルジア情勢でも問題となってきているのが
国家の承認なのです。
ここらへんなかなか分かるようで
わからない話だということで
講義で話した内容とこれまた重なるのですが
番組でも取り上げさせていただきました。
9月8日オンエアー 第178回放送分
「FURANO History Factory(=FHF・フラノヒストリーファクトリー)」
放送を終えました。
先週、この番組でも
ロシアが、「南オセチア」「アブハジア」を
国家として認証したニュースを
お伝えしました。
国家の承認というと、
「今回のオリンピックは、204の国と地域が参加」
などとアナウンサーの方がお話されます。
何気なく使われている「国」と「地域」
という言葉ですが、
国は、なんとなく、わかります。
でも地域とは?
といった疑問をお持ちの方も少なくないでしょう。
東アジアの地域に国連加盟国は、
中華人民共和国・日本・韓国・北朝鮮・モンゴル国と
5カ国ありますが
では、AOCとFIFA加盟となると、
=中華人民共和国・日本・韓国・北朝鮮・モンゴル国・台湾・香港・マカオ
8の国と地域となり
IOC加盟となると、マカオが除かれて、7の国と地域となります。
ホンコン・マカオについては、
一国二制度の産物ということで
さておくとして
このなかで、自分のところが「国」である。と主張をしているのが
国連加盟5カ国に対に加えて
「台湾=中華民国」です。
しかもFIFAなどに未加盟ですが
独立主張があるのが
北京オリンピックでも話題にしました
「東トルキスタン」です。
[ここは、ワシントンに亡命政府があります。
チベットの亡命政府が主張しているのは、独立ではなく
高度な自治ということで、微妙に違いますね]
それぞれ独立した政権が存在しています。
さてさて、教科書的な記述によりますと
国家の三要素とは
領域(Staatsgebiet:領土、領水、領空)- 一定に区画されている領域。
人民(Staatsvolk:国民、住民)- 恒久的に属し、一時の好悪で脱したり復したりはしない人民。
権力(Staatsgewalt)ないし主権- 正統な物理的実力のことである。この実力は、対外的・対内的に排他的に行使できなければ、つまり、主権的(souverän)でなければならない。
が、国家の三要素といわれておりますが
独立した政権があり、なおかつ、他の政権の介入が及ばない
そのような地域がありますが
これが国として認められるのには
国として他国が承認をしなければならない
ということなのです。
だから国家の四要素といっても
良いような気もしますがね。
ちなみに、
有名なところでは、94カ国が国家承認をし
その他11カ国と国交を結んでいる
パレスチナとか
国土をモロッコに実行支配されているものの
約80カ国から国家承認されている
西サハラ
ここ10年以上内乱が続いているソマリアの国内にありながら
ソマリアよりも遥かに安定した政権のある
ソマリランド
それからトルコしか承認をしていない
北キプロスやなどは
この承認されていないため
国として認められない代表例でしょうか。
それと、今話題となっている
アブハジア・南オセチア・沿ドニエストル・ナゴルノカラバフ
あたりも
ここのカテゴリーでした。
ちなみに、今回のオリンピックに出場した地域は。
ケイマン諸島・チャイニーズタイペイ・香港・パレスチナ
バミュダ諸島・グァム・クック諸島・ヴァージン諸島(英・米)・
アメリカ領サモア
でした。
国連加盟が192か国(2006年7月現在)ありますが
国連に加盟していて日本が認めていないのが
北朝鮮・朝鮮民主主義人民共和国
日本が承認していて、国連未加盟なのが
バチカン市国
それから、日本は承認しているのに
国際的にまだまだ承認されていないのが
コソボ
[コソボを国家として承認しているのは
パレスチナや西サハラより少ない46カ国です]
と、いうことで
日本が承認している国の数は
世界の国の数 193です
ちなみにFIFAには
207の国と地域が加盟をしております。
さてさて、これだけあると
なかなかフシギな国もあります。
当番組でも、以前、ナウルとかツバルのお話を
させてもらいましたが
ミニ国家といえば、こちら
バチカン市国です。
バチカン市国と言えば世界最小の国家です。
面積は0・44平方kmで
よく皇居の3分の1ほどとか言われますが
富良野市で言うと、
富良野駅前から、五条通を通って
旧協会病院のところを右折して
国道を滝川側にいったら、農協のところで右折をして
そして、国道を旭川側へ向かって、
西中学校をやりすごしたところを右折すると
新相生商店街を通って、富良野の駅前に出ますが
だいたいこの範囲内に国が入ってしまうという
そんな大きさなんです。
そこに、サン・ピエトロ大聖堂や
ローマ法王が暮らすバチカン宮殿、バチカン美術館があります。
そして人口も昼間の人口は4000人くらいですが
バチカンで暮らしているのは900人弱。
中でも、国籍を持っているのは、
教皇・枢機卿、司教、司祭などの要職にある
カトリックの聖職者や、
スイス人の衛兵、外務を担当する職員など約550人です。
しかも、聖職者などの役職を辞めたら
バチカン国籍は返上しなくてはならないという
ルールもありまして、ほぼ全員が二重国籍という。
しかも、公用語が死語(ラテン語)というのも
ほかの国と比べて例のない国ですね。
なぜ、こんな不思議な国が存在しているかというと
ローマ教会が、当時のイタリア王国が教会の使用料支払いを求めたことと
これを教会が拒絶したことから、
イタリア政府とカトリック教会が断絶。
これを改善することが、自分の国際的地位を他決めることにつながる
と考えた、ドゥーチェ、ベニート・ムッソリーニです。
1929年に結ばれたラテラノ条約で
教皇庁のあるバチカン一帯が「バチカン市国」として
イタリア政府から政治的な独立が認められました。
そして、イタリア政府は教皇庁に対して、
対外的に永世中立であること
イタリア国内の政党間の争いにおいて特定の政党に与しないこと
を求めました。
一方でイタリア政府はカトリックがイタリアの宗教において
特別な地位を有することを約束し、
イタリア王国が行った
1870年の教皇領の没収への補償として
教皇庁への資金調達を行ったのです。
そんないきさつで独立をした
バチカン市国ですが
日本はじめ178ヵ国と国交を結んでいます。
が、日本にバチカン市国大使館というのは存在せず、
代わりにローマ法王庁大使館が置かれています。
ローマ法王庁とはカトリックの最高権力機関で、
全世界のカトリック教会を統率しているのですが、
バチカン市国の行政を担当するバチカン政庁や
バチカン市国委員会は法王庁の一部局にすぎない。
つまりローマ法王庁が親会社なら、
バチカン市国は子会社といった関係で
宗教の一部門として
国家が運営されているという
特殊な状態なのです。
だから、バチカンという国家と国交を結んだつもりでいたら、
カトリックという宗教組織に
治外法権の「大使館」を作られてしまうのですね。
また、バチカン市国は前述のとおり
国連に加盟していませんが、
かわりに法王と法王庁を総称する
聖座(Holy See)という名義で
投票権を除くすべての権利を認められた
オブザーバーとして加盟をしています。
この点でも
特殊性がわかるでしょう。
が、このバチカンを上回る
不思議な地域があります。
それが、
マルタ騎士団
こと
ロードス及びマルタ、エルサレムの聖ヨハネ病院独立騎士修道会
なのです。
見てのとおり、カトリックの騎士修道会です。
騎士修道会とは
十字軍時代にセイチイェルサレムへの
巡礼者を防衛・援護・救助することを目的に作られた
ローマカトリックの修道会です。
現在唯一主権をもった騎士修道会として
存続しているのが
マルタ騎士団なのです。
ルーツをたどると、第1回十字軍の後、1100年ごろ、
日本では院政期のころですが
巡礼保護を目的としてエルサレムで設立されました。
正式名称から明らかなように病院をもっていて
ことに病気になった巡礼者の保護に務めました。
13世紀末に、十字軍勢力がパレスチナから追われた後は
最初は、キプロス、ついでロードス島を根拠として、
聖地巡礼をするキリスト教徒の重要な経由地の守護者、
ムスリム(イスラム教徒)に対する聖戦の実行者として活躍しましたが、
(とはいえ、ロードス島周辺をおさえていたのが
ビザンツ帝国で、これまたキリスト教国。
ただ、同じキリスト教でも、ビザンツは正教会で
カトリックとは対立をしていたので
そんなに矛盾は生じませんか。)
16世紀初頭、オスマン帝国のスレイマン1世により
ロードス島は陥落。
本拠をスペインより割譲されたマルタ島に移して、
マルタ騎士団と
呼ばれるようになりましたた。
しかし18世紀末、ナポレオン・ボナパルトの侵攻により
マルタ島を奪われ、領土を失い
再び、流浪を余儀なくされます。
が、ナポレオンの死後、
ウイーン議定書で
マルタを、地中海を経由してインドにいたるルート上に
位置することから重要視していたイギリスが領有。
ウイーン会議の本旨は
正統主義といって
ナポレオン以前のヨーロッパに
もどすことでしたが
結局、マルタ騎士団は、
イギリスから国としての特権だけを
与えられたという形になってしまいました。
その後、1834年 ローマ市内に本部が置かれ
1869年に、ローマの本部ビルに対して、イタリアが治外法権を認め
1961年に「ロードス及びマルタ、エルサレムの聖ヨハネ病院独立騎士修道会」
となって
ここを拠点として現在でも世界各地で
病院の運営や医療奉仕を続けているのです。
だから、領土を失った後も、
マルタ騎士団は独立国家と同様の主権を有しています。
ローマに本部ビルを保有し、
バチカンのようにイタリアから独立領土として
承認されてはいないものの、
治外法権を認められている建物は
一種の大使館と見なすこともできます。
しかしその建物はあくまでイタリアの主権範囲であり、
治外法権が認められただけであるため、
領土とは呼べず、実質領土のない国なのです。
ただし、世界96カ国と外交関係を結んでいて
1994年には、国際連合のオブザーバーにも
なっています。
が、これは、どちらかというと
医療を行うNGOとして、
だから立場的には
同じくオブザーバーとなっている
赤十字に近いのでしょう。
世界はまだまだ
不思議がいっぱいです。
ちなみに、僕自身が「マルタ騎士団」や
「沿ドニエストル」などの存在を知ったのが
当ブログでも紹介しておりますが
吉田一郎さんの著作「国マニア・世界の珍国、奇妙な地域へ!」
(交通新聞社 刊)です。
混迷するグルジア情勢を考える
一助にもなるでしょう。
よろしければ一読をおすすめします。
あと、吉田さんが運営されているサイト
世界飛び地研究会も
濃い情報が満載で
目からうろこがボロボロと落ちること
請け合いであります。
http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Lake/2917/index.html
さてさて、
旧ソ連のお話に戻りますが
南オセチア、アブハジア、沿ドニエストル、ナゴルノカラバフ
のお話は以前番組内で話しましたが、
最近、さらにあらたな動きが
ウクライナで起きているという。
来週は、そんなお話であります。
ダライ・ラマ14世の、チベットに対する提案は以下の通り。
(1987年、アメリカ議会の人権問題小委員会での「チベットに関する5項目の和平案」)
・チベット全土を平和地域とする
・チベット民族の存続を脅かす中国の人口移動政策を放棄する
・チベット民族の基本的人権および民主主義に基づく自由を尊重する
・チベットの自然環境を保護し、回復させる。チベットでの核兵器の製造、核廃棄物の投棄をしない
・チベットの将来の地位について、また、チベット人と中国人との関係について、真剣な交渉を開始する
そして、チベット人による本当の自治権が得られれば独立は求めないと譲歩しました。(1988年、「ストラスブール」提案)
国際情勢は複雑で、短い時間の中で、
あれもこれもと思うとどうしても時間が足らず
どう精査しようかと、
日々考えている「イトー×ani」がお届けする
FURANO History Factory (F.H.F.フラノヒストリーファクトリー)
コールサインJOZZ1AS-FM 周波数77.1MHz
北海道富良野市とその周辺で聴くことが出来る
コミュニティーFM局「ラジオふらの」の
毎週月曜日午後五時からオンエアー中
番組へリクエスト・メッセージは
〒076-0026 富良野市朝日町5-17 レストランふらの広場内ラジオふらの
E-mail radio@furano.ne.jp FAX 0167-22-2787
リクエストなどは
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受け付けています。
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