秋雨前線ではっきりしない天候と

台風とかで雨が続きます。

そんな合間のいい天気の日
外では、忙しそうに動くタマネギを詰めたコンテナを
積むフォークリフトなんて光景も
当たり前のように見ることが出来ます。


一雨ごとに秋が深まっていく
そんな富良野です。



9月10日オンエアー 第128回放送分
「FURANO History Factory(=FHF・フラノヒストリーファクトリー)」
放送を終えました。

この日は、江戸の出版という前の週の話題を受けて
浮世絵と版元の話をしました。


そもそも浮世絵とは、「今の時代」を写した絵
言い換えると風俗画として登場しました。

江戸時代にはいってしばらくした17世紀中頃、
社会のある程度の安定を受けて盛んになりましたが
初期のものは肉筆画か木版の単色刷が主でした。

元禄期の浮世絵の代表といえば、高額なためコレクションされる
切手の代名詞ともいえる菱川師宣作「見返り美人」が
その代表ですが、これなんかは肉筆浮世絵の代表作です。

あとこの時期に出版された井原西鶴の「好色一代男」の中に
「浮世絵」の言葉が出てきまして、これが文献で確認できる
最古の「浮世絵」の使用例です。



この後、鳥居清信の時代になりますと、木版の単色刷りに
筆で着色したものがあらわれます。

これは赤い顔料を使ったので「丹絵」とか「紅絵」と
呼ばれました。

さらに時代を経て
鈴木春信が画期的な発明をします。
これが東錦絵と呼ばれる、世界でも希な
多色刷りの技法です。

これは、一枚の紙に対して
何枚もの色違いの絵の具をのせた版木を重ねて印刷をし
結果的に何色もの色を使って印刷をしたことになる
技法なのですが

重ね刷りの際に目印となった「目当」の工夫が
一番大きいのです。

で、春信が錦絵の発明をする時に
春信の家のそばにすんでいたのが
日本のダ・ヴィンチと後世呼ばれるようになった
鬼才、平賀源内です。

彼は本職は本草学者ですが
それ以外に、鉱山開発、エレキテルの修理、ガラスケースの発明
羊毛の織物作り、寒暖計作り、気球の設計といった
理系の分野から
江戸風歌舞伎の脚本、エッセイの執筆といった分野から

一説によると土曜の丑の日にうなぎをと言い出した人物だったり
歯磨き粉のCMソングを作ったと言われたりと

マルチに活躍した人物なのです。



と、いうことで、錦絵の発明についても
源内が関わっているのでは、
言われています。


ま、真相はまだわかっていないのですが…。



あと、錦絵発明の背景としては
何回もの刷りに耐えられる、楮を原料とした丈夫な紙が
普及したことや、経済の発展で、複雑な分業体制を
整えるのが可能になったこともあげられます。

複雑な分業体制と書きましたがこれはいわゆる
「版木屋なかま」とよばれる組織で

元絵を描く「絵師」以外に

版木を彫る「彫師」
版木に絵の具をのせて刷る「摺師」

そして製本屋にわかれて
一つの作品が作られます。

さらに「彫師」は「頭彫」と「胴彫」に
「摺師」は「色摺師」と「墨摺師」に分けられます。


さて、このようにして次第に環境が整ってきたのですが

絵画の方もバリエーションに富むようになりまして

写実的な美人画で人気を博した北尾重政
役者絵で人気がでた勝川春章らをへて

錦絵作家の代名詞である
喜多川歌麿があらわれます。

また、浮世絵といわれて
これまた頭に浮かぶことが多い
見得を切った姿でディフォルメされた歌舞伎役者の絵
「市川鰕蔵」ですが

この作者である東洲斎写楽ですが
寛政の改革の統制によって
財産を没収された版元蔦屋重三郎が
起死回生の策としてプロデュースした人物といわれています。

短期間で百枚以上の作品を残すや
忽然と消えてしまったので謎の絵師と言われています。

が、話題にはなったものの
特徴を誇張しすぎたということで、人気はイマイチ
ライバル歌川豊国にはかなわなかったようです。

その後、春章の門人葛飾北斎が
「富嶽三十六景」を手がけたことで

豊国の弟子広重が
「東海道五十三次」を刊行され

名所絵というジャンルが発達したというわけです。

これらの絵は、僕らの世代としては
永谷園のお茶漬けのオマケとして
なじみ深いのではないでしょうか。

僕も集めていました。


閑話休題

これらの絵が
最初は陶器の包み紙として海外に渡るのですが

これに目をつけた美術家や好事家によって
広く知られるようになり

フランス印象派に大きな影響を与え
ゴッホやマネの絵画に表されているのは
有名な話です。


また、音楽の印象派でも

ドビュッシーの交響詩海が
北斎の富嶽三十六景の
「神奈川沖波裏」に触発されて
作曲されたのも有名な話です。
ドビュッシーの書斎に
神奈川沖波裏が飾られているのが
わかる写真があるそうです。

また、「神奈川沖波裏」と言えば
迫力ある波の絵なのですが

この波濤が、高感度カメラでとらえた映像と
同じということでも話題になりました。


そんな話題の多い浮世絵に
機会があったらふれてみてもいいのではないでしょうか。


と、いうことで江戸の出版文化につきましては
これでお開きとなります。



来週は別の話題になりますね。
よろしければおつきあいのほど
お願いします。


来週からしばらく
仕事のシフトの関係で生放送になります。

ごきげんよう。


しばらくは、休みがなさそうな「イトー×ani」がお届けする 
FURANO History Factory (F.H.F.フラノヒストリーファクトリー)
コールサインJOZZ1AS-FM  周波数77.1MHz
北海道富良野市とその周辺で聴くことが出来る
コミュニティーFM局「ラジオふらの」の
毎週月曜日午後四時からオンエアー中

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Author:イトー×ani:歴史の旅のナビゲーターを自称


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