2016.03.20 球春近し

新札幌の某お好み焼き屋さんで毎年行われている
カープファン決起集会ですが、先週、参加申し込みをしようと電話したら
「すんませ~ん、もう一杯なんです~!」とのこと。
今年は例年になく申し込みが早くて、すぐ定員がウマったそうです。
超! 残念!!

思えばカープのFCも、今年こそ、申し込もうと考えていたところ、
申し込み開始の数日後に申し込みを忘れていることに気が付いて、
球団のホームページを見たら、「今年度の申し込みは終了しました。」との文字。
なんでも一般申し込みは10時から始まりましたが、
その日の12時30分には定員に達したてしまったのことです。
通常のファンクラブは16,000名の定員で、継続会員が優先されます。
だから、万が一2015年度と定員が変わらず全員継続となる場合は
新規入会は出来ないことになります。

だから、当日の12時半には定員まで達してしまう現象が起きます。

と、いうわけで、来年は、この2つはスグに対応するぞ~!!と強く思ったわけです。
カープFCは11月中旬 Sのカープファン決起集会は3月下旬です。(自分への備忘録)

で、その反動ではないですが、公式戦のチケットはとりあえず現時点で、
4/2.3 のマツダZoomzoomスタジアム の 読売戦
4/9.10 の甲子園での阪神戦
5/3.4.5 の東京ドームでの読売戦
5/28 29 の横浜スタジアムでの横浜戦
の9試合分のチケットを手に入れました。

ということで、遠征の季節がはじまります。
ことしも、頑張って応援するぞー!!

とはいえ、ここまで無邪気にハジャげない事情もあります。
このところ、プロ野球まわりでは、読売の野球賭博事件を発端にして、
野球とカネを巡る問題が、マスコミを賑わせています。
はっきりいって、今後どういう展開になって、
どう決着するのかはわかりませんが、

賭博に関しては、前例に照らして厳正に処罰されないと、
八百長につながり、球界を振るわせた黒い霧事件の再来になりかねないので、
きちんと整合性のとれた決着にしてほしいと思います。

そんな黒い霧事件について、思いを巡らせながらも
いよいよすぐそこまで来ている球春の気分を盛り上げてくれる本を
先日ようやく手に入れて、一気読みしました。
それが、長谷川晶一さんの「極貧球団 ~波瀾の福岡ライオンズ~」(日刊スポーツ社 刊)です。

長谷川さんは、当ブログでも何度かその著作を取り上げさせていただいています
3年で消滅した高橋ユニオンズについての唯一のルポルタージュ
「最弱球団~高橋ユニオンズ青春期~」(白夜書房 刊)や、
ガンちゃんこと、岩本勉さんの高校時代、
彼の後輩がおこした不祥事のせいで高校3年の夏の大会に出られなかった事件の顛末と
その後を描いた「夏を赦す」(廣済堂出版)などの著作で知られています。

また、当ブログでは、取り上げられていませんが、
「プロ野球12球団ファンクラブ全部に10年間入会してみた!」(集英社)も、
体をはったルポルタージュで、これも大変興味深く、かつ面白く読むことができました。
それぞれが、素材に対する切り口がユニークなのと、取材が緻密なのと、
バランス感覚に富んでいて、野球を見る目が温かいというところが
いいなーと思っているのですが、そんな著者のお気に入りがまた、一冊増えました。

公式には、
「弱く、貧しく、たくましく!
 太平洋クラブライオンズ
クラウンライターライオンズ
 奮闘の6年を関係者の証言とともに振り返る
 渾身のノンフィクション!」

と書かれています。


この話しを長谷川さんが書くきっかけとなったのは、
前作にあたる「最弱球団~高橋ユニオンズ青春期~」を描いている時に、
3年で姿を消したユニオンズよりも、更に短い期間しか存在しなかった
クラウンライターライオンズに惹かれたことだそうです。

そして、調べていくうちに、太平洋も、クラウンライターも、
いわゆる親会社ではなく、親会社は、福岡野球株式会社という個人企業で
それぞれの会社とスポンサー契約をおこなったということです。

高橋が一時期「トンボ」だったのも、スポンサー契約でして
これらは、今のネーミングライツのさきがけです。

西鉄ライオンズが、黒い霧事件によって多くの選手が処分を受けると共に、
球団経営に熱心なオーナーが失脚。西鉄は球団を売りたがるなかで、
オーナー会議は、ロッテのオーナーである中村長芳氏に全権委任。

中村氏は最初ペプシに球団売却を提案し、話しは99%まとまりますが、
東映が日拓に突然売却されたことで、パリーグの経営の実態に不安を感じたペプシが拒否。
結局中村氏が個人会社である福岡野球株式会社を立ち上げて、球団を引き受けます。
そして、新興会社の「太平洋クラブ」とスポンサー契約をします。
が、ここが額面通りの資金を提供できなかったところで、球団は危機を迎えます。

そして、太平洋は結局約束をした資金を満額出さないまま撤退し、
かわったのが、クラウンライターでしたが、こちらにかわっても経営状況はよくならず、
クラウンライター社の火事によって資金繰りがにっちもさっちもいきなくなっています。

本のタイトルどおり、太平洋~クラウンのライオンズ6年間は、経営陣にとって、
ない袖を振り続けていた6年間でした。

中心となった中村氏とともに経営を支えたのが、当時の経営トップだった坂井保之氏で、
そんな坂井氏の証言が本の縦糸になっています。

そして、横糸となっているのが、選手や脇役たちの様々な証言にもとづいたエピソードです。
基、太田卓司、東尾といった、三つのライオンズを経験した選手、
東田、若菜、真弓、竹ノ内といった、途中で移籍した選手、
江藤、土井、吉岡といった移籍してきた選手など、一人ひとりの選手の証言やエピソードが、
すごく人間くさくて、球団への不満、球団幹部や他の選手との軋轢など
不安が率直に語られていきます。

中でも、タイトルである「極貧球団」の名に違わぬ貧乏話が沢山出てきて、
給料が支給されないオフにアルバイトをしていた話しは大変興味ひかれます。
自衛隊で働いて、幹部候補になれると引き留められた永射保
のちに、野球解説やプロ野球ニュースなどで軽妙洒脱なトークを展開した加藤博一
彼のトークや気配りの原点も、オフ期間のバーなどでのアルバイトに原点があったようです。

また、練習でも今の選手は、二軍であっても自分の荷物以外のものを運ぶことはないですが、
昔の若手は、一軍選手であってもそうではなく、真弓明信が、試合終了後、
先輩のユニフォームの洗濯をしたりとか、よそのチームの名前の入ったボールのチーム名を削って
太平洋のスタンプをおしていたそうです。

昔の野球マンガ「すばらしきバンデッツ」でも、そんなエピソードがありましたが、
これはライオンズがモデルだったのかな。
当時のライオンズは「山賊打線」バンデッツとは「山賊」という意味ですから。

阪神にトレードで出された竹之内の奥さんが
「これがプロ野球の待遇なのね」と感嘆とたなんてエピソードもありましたし
のちに竹之内は台湾の球界で指導者になりましたが、
一番ヒドかったのはライオンズと言ってました。

また、ライオンズは貧乏ながらも、話題造りのために、外国人は大物を連れてきて
活躍をしたビュフォードやアルーだけでなく、期待はずれだったハワードも含め、
彼らの大リーガーならではの矜持などが選手にもいい効果を与えていましたし、
その後も以外な交流が続いたなんてエピソードにもほっこりします。

話題作りといえば、外国人の大物監督を招聘し、失敗した話しとか、
金田正一監督率いるロッテと 遺恨試合を仕掛けたものの、ファンの暴走を
とめることが出来なくなってしまった話なんてのは、当時のパ・リーグならではの
アツい時代の話しです。

有名選手だけでなく、無名選手や、選手未満で終わった人も取り上げられていて
中卒で練習生になり、遂に試合にでないまま終わった2人の話しも面白い。
ライオンズが、今の育成選手の走りのような練習生として、
中卒選手(一人は野球の未経験者)を採用していた話しは、
この本を読まなければ、知り得なかったことです。

そして、福岡野球株式会社に対して一貫して冷たかった福岡市の対応などは、
読んでいてムカっとします。
西鉄を見捨てた地元が、なんとか野球文化を福岡に根付かせようと
頑張っている会社に対して、よそ者がなんかやっているというような態度をとったり
あからさまに妨害をするというのも、現在の行政について、いろいろと考えさせてくれます。

そして、球団売却直後におきた、空白の1日問題。
前年に、ライオンズが、法政の江川投手を指名し、江川が拒否をしたことと
そのほぼ1年後にドラフト制度の間隙を縫っての読売の指名という、
そんな問題にもライオンズがかかわっていた。
というか、ライオンズはこの時点では、経営の問題で、
6年間で積み上がってしまった莫大な負債ごと経営を引き受けるといった
西武鉄道に球団を売却しています。

だから、黒い霧事件、空白の1日問題という、
プロ野球界でベスト10のニュースを考えた時に
必ず入って来るであろう大事件二つの間隙にいたチームが
太平洋~クラウンライターなんだなぁ、

と思ったのでした。

今まであまり語られてこなかったパ・リーグの
しかもマイナーチームの歴史を描くことで、
野球文化の複雑さや奥深さ、そして、現在にいたるまで
解決されていないような問題にも目を配ることができる
そんな良著でした。

よろしければ、一読をお勧めします。


と、いうことで。(´・ω・)ノシ

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