2015.09.02 孤独の日暮里
すっかり8月最終週は、野球を見に行くようになった私ですが、
今回も野球だけでなく、孤独のグルメ巡礼も楽しみました。

前日のゲームの負けを引きずりつつも、むかったのが
日暮里です。
10時過ぎに宿を出て、関内から京浜東北線にのって横浜で
上野東京ラインの籠原行きに乗ります。
上野東京ラインに乗るのははじめてですし、
横浜で、籠原行きがやってくるというのも不思議な感じです。

東京、上野間を普段の山手線・京浜東北線以外のところを
走るのも初めての体験です。

上野で土浦行きに乗り換えて、日暮里で下車
11時15分くらいに到着。そこから、何度目かの繊維街を歩きます。

前回きた時は、お盆時期だったので休業のお店が多かったですが、
この日はさすがにお休みのお店は少ないです。

[うわぁ/生地 生地 生地/「舞台衣装 企画 / 製造 販売」って]
「そんなに 舞台って あるのか」
「うーん 生地はわかった はい よくわかりました」

なんてゴローちゃんの気分を味わいながら、あるくことしばし、
食欲のさかなでなれる「寿司とパスタ」の看板や
空腹者をからかうような「Furikake」の看板を見ながら
歩くことしばしで、突如緑の固まりが目に飛び込んできます。

こちら、本日の目的地ですし、今まで3度訪れて
3度とも臨時休業だったお店です。4度目の正直なるか。

近寄ったら、今まで板が張られていたショウケースに板はありませんし、
入り口は張り紙ではなく、「準備中」の札がさがっています。
道路に置かれるタイプの看板も出ています。
お、今日は営業するみたいです。やりました。

お店の名前は「ニュー マルヤ」さん。
今年の2月に「SPA!」誌に掲載された
「孤独のグルメ」 第29話
「日暮里繊維街のハンバーグステーキ」に出てきたお店です。

料理とセンイがリョーリツセン日暮里で
心と胃袋がつんのめったお店です。

それにしても、4度目ですが、入り口と壁面以外が
全部つたで覆われていて、森に取り込まれたような
外観が素晴らしいです。

コミック中でも、ページ紙面の半分を割いて描写されてます。
今までの話でもこんな見せ方はなかったですが
そうしたくなる迫力です。

ゴローちゃんも

「うそだろ
 なんですか この店は!?」

などとびっくりしながら近寄って

「廃屋

 …ではないぞ やってる」

「奇怪な 店だが

 我 限界に  空腹なり

 えい ままよ!」

などと言って店内へ 行ってました。

ただ、まだ開店前なので、向かいにある小学校の前でバスとか見ながら
待ちます。

お店の横にはオジサンが一人たっています
あの人も開店待ちの人かな?

なんて考えながら待つことしばしで、おじさんが店内に入っていきます。

お、開店ですね。

ワタシも中へ行きましょう。
と、そのオジさんが、僕の狙っていた
ゴローちゃんの座っていた席に腰を下ろしています。

ちっ、残念。

ということで、僕はゴローちゃんがチラ見していた
ご婦人の座っている席にこしをおろします、

赤いビニール張りのいすと、白みがかった
アイボリーの机や壁がモダンな感じです。
古いですが、丁寧に清掃されているのがいいです。

ということで、メニューを軽く見ます。
ゴローちゃんは、店内にいる先客が食べているものと
メニューを見比べて
[こんな奇妙な店で/冒険や挑戦は禁物/見て安全なものを食べよう]
と、オーダーしたのが、ハンバーグステーキとライス大盛り。
そして、あとからハムエッグを注文しますが、
ワタシも、ハンバーグステーキ、ハムエッグ、ライスと
ゴローちゃんが頼んだメニュー〔ライスは、このあとのことを考えて普通盛り〕
に加えて、瓶ビールをいただきます。

すぐに瓶ビールと、突き出し代わりの豆菓子が登場。
ポリポリやりながら、軽く周囲をみると、
おかれている新聞が、産経新聞と東京新聞です。

ゴローちゃんも、オーダーが通ったあとに
[…なんだろう
外見と違って/案外普通な/洋食屋かもしれん
清潔で明るいし/片付いているし
店主も変人には/とても見えない]
などといってますね。

ただ、店の隅に、外から伸びてきている蔦が侵食しています。
おお、スゴい。

そして、あとでコミックを見返したら、
この蔦が店内にまで侵食しているところも
さりげなく描かれていました。

谷口先生、スゴイです。

つけっぱなしのTVが静かな店内のBGM代わりですが、
NHKの目撃!日本列島「ナニワの社長が雇いまっせ~出所者の再犯防止プロジェクト~」
で、濃い関西弁で、重い話をしています。

なんて感じで効いていると、奥から肉が焼かれる音が
次第に大きくなってきて、ワクワクします。

そして料理が登場。

白くて丸い清潔そうなお皿にもられたライス。
それから、たっぷりソースをまとったハンバーグ
さらに付け合せのケチャップ味のソーセージに、
ジャガイモの塊も見えて、にんじんも大目なので
色目も鮮やかなポテトサラダとパセリ
それから、不思議な練りカラシがハンバーグ

さらに、たっぷりのキャベツの上にどんとのっている
見るからに分厚いハムの上の半熟黄身の卵が二つ
さらにはこちらもポテトサラダとパセリに練りカラシ
というのが、ハムエッグです。


「お  いいじゃん!
そうそうそう  こういうものが  食べたかった!」

[慌てるな 心と胃袋が
つんのめってるぞ 俺! ]

とは、ゴローちゃんの感想ですが、ワカります。

ではハンバーグからいただきます。

うお、柔らかいです。
口に入れた食感がやさしい柔らかさで、
穏やかな味わいのハンバーグです。
肉も柔らかいですし、口の中でほろっとします。
赤味肉のワイルドな味わいとともに、
たつぷりの肉滴がマッチしています。
たっぷりのたまねぎもやわらかくてほんのりアマいですし、
これも肉を盛り上げてくれます。

複雑ながら穏やかで、どこか懐かしい味わいのソースも
お肉やたまねぎとよくあっています。

緊張感を強いるかんじではなく、ほのぼのとした感じで
しみじみと美味しい。ニッポンの正しい洋食です。

ゴローちゃんも口にしたときには、あの表情です。
豆かんを食べたときのチャクラが開いた顔です。

それで、[空腹を差っ引いても/あまりある真っ当な肉料理]
という最大のほめ言葉を繰り出しました。

わかるわかる。

やや柔らかめに炊かれたご飯も美味しいですし、
ごはんともあうところが、日本の洋食、日本のハンバーグです。
ゴローちゃんは、
[洋食屋のライスって/和食屋や定食屋とは/別の味がする]

うん、これも共感できる一言です。
フォークで食べているところも別の味がする原因ですかね。

そして、今度はハムエッグです。

まずは、硬くなっている白身がくっいつているハムを
ナイフできっていただきますと、

うん、ハム、分厚いです。ハムのしっかりとした味わいと
焼かれた香ばしさとがいい感じですし、ぶるっとした
淡白な白身ともあいます。
こちらもどこか懐かしいもののしっかり美味しいです。

さらに、黄身が二つあるのでひとつをたっぷりと切り取って、
ハンバーグの上に乗せます。

これは、ゴローちゃんが僕の席に座っていた先客が食べていた
ので、注文するきっかけとなったハンバーグには
目玉焼きが乗っているのに、自分のは乗っていない。

お店の人に異議申し立てをすると、

「ああ、 卵ののっているのは  あれ
あの下の  ハンバーグ  ステーキ  インペリアル」

「え? 50円でイン  ぺリアル化」

そこで、ハムエッグを別注します。
[無いとなったら/どうしても目玉焼き/食べたくなってしまった]
といって、ハムエッグにむかって、
「ハム 厚い  上ハム だ」
「(黄身の)ひとつは  残しておいて  ハンバーグに  のせて」
「ハハ  あとづけけ  インペリ  アル」
「うん   うまい   本家より  インペリ  アルだぞ」
と自分の考えにご満悦したのを巡礼者としては真似なくては

ということですが、

これがまた美味しい。
濃いソースをまとったハンバーグに卵の黄身ですから、
美味しくないハズがない。
卵の黄身が、ハンバーグをマイルドと複雑な相反する味わいの世界に
いざなってくれます。ま、卵の黄身の盲信者である私ですので
美味しく感じてあたりまえ。
しかも、ハムも聞いています。
ハンバーグの柔らかさと分厚いハムの歯ごたえの
コントラストも面白いです。

あああ、いいなぁ。本家よりインペリアルです。


さらには、残った目玉焼きの黄身のハートにロックオンと
醬油をかけてかぶりつきますと、
今までのハンバーグソースとは、まったく別ベクトルの美味しさです。

[醬油とご飯があるのが/ニッポンの洋食ですよ]

しかも、付け合せのスパゲティも、いい感じです
ケチャップのいい意味でチープな味わいが美味しくもさりげなくて、
お肉を邪魔しない感じです。
[この付け合せの/具無しスパゲティくんが/どういうわけか俺 大好き]
などと、コミックの中で、スパゲティにくんづけをするほど
親しみを感じるゴローちゃん。なんてシーンもありました。

ポテトサラダもジャガイモがボコボコと残った 感じと
濃い目のマヨネーズの味わいもしっかりしていて
美味しいポテトサラダです。
キャベツもシャキシャキで、ハンバーグソースでよし、
醤油でよしです、

ゴローちゃんは、お皿にちょんとついている辛子に対して
[このカラシ/使い方が/ちょいと/謎だが…]
などと言ってます。ワカルワカル。

でも、山谷豚肉いためでも、不思議な練りカラシ
などといってましたね。

そして、一個とっておいた卵の黄身と、ライスを一緒に
キサラギ食いをして、ビールで流し込みます。

そうそう、これらの料理がまたビールにもあうんです。

[なんだか/不思議な気持ち
繊維のキツネにでも/つままれたような/午後だな…]

と、ドラマ版のような余韻の残し方でコミックは終わりましたが
そんな気持ちを実感します。〔時間はまだ午前中ですが〕

そして、無事、インペリアルを制圧したことに大満足をして
お店をあとにします。

ちなみに出るときには店内にはあと3人お客さんがいまして。
三人とも僕より年上の男性でした。
それぞれエビフライとかオムライスとかカレーを食べていました。

あー、そちらも食べたいなぁ。

と、満腹を抱えて、新丸子に行くのはなんですし、
若干の腹ごなしをかねて、
初めての日暮里舎人ライナーなどを楽しんだりして
新丸子にむかったのでした。
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