4/18、マツダスタジアムでのカープvsドラゴンズ戦

延長に入ってから、平田選手にレフトスタンドにたたき込まれて
しょんぼりと宿に向かう私。
久々のパフォーマンスシートということで、声は涸れるし
ムダスクワットで足などもへろへろ。

さらに、この日おさえた宿は、広電の電停からややしばらく歩く場所
ということで、面倒だからタクシーにのっちまえー!!

そちらのタクシーの運転手さんもHIROSE26のユニフォームを着ているワタクシを見て
「いやー、今日は残念じゃったねぇ」
「あと一本が出ないですもんねぇ」
「黒田が投げちょるんだから、もっと頑張らんと」
と、気づいたらタクシーの中で反省会です。
さすが、広島のタクシー。
「ま、明日は頑張ってもらわんとの」の言葉に送られてタクシーを降りて、宿にチェックイン。

この日の宿は、薬研堀通りが平和大通りに出るところにあって、
広島最大の歓楽街流川は目と鼻の先です。
そういえば、タクシーの運転手さんは、
「ま、せいぜい夜、うまー酒でも飲んで楽しんでや」
などと言ってましたっけ。言われるまでもありません。

広島に来るのは年に1回程度ですが、その時のお楽しみといえば、
カープ戦、観光とともに、ワカコ酒場放浪です。

「ワカコ酒」〔新久千映さん著 ZENONコミックス 徳間書店 刊〕
に出てきたお店を巡礼することです。

「ワカコ酒」は、呑兵衛の舌を持って生まれた村崎ワカコ(26)が
一人で居酒屋へ行きが食べたり飲んだりして「ぷしゅー」とするお話です。
この「ぷしゅー」をしている時の、肩の力が抜けた幸せそうな表情が
シンプルな描線であらわされて、いい感じです。

女子版「孤独のグルメ」と評する向きもありますが、
カメラのまわっていない版「おんな酒場放浪記」の、
中でも、カメラマンの古賀ちゃんに近いなぁ、などと勝手に思いながら
楽しみに読んでいる、大好きでオススメの一冊です。

ま、最近はドラマ化もされましたし、夏にはアニメ化も控えているので、
知る人ぞ知る存在ではなくなりました。

この「ワカコ酒」に出てくる店ってモデル店はいくつかあるのですが、
なかなか特定しにくい。

しかも、連載中に作者の新久さんが、東京からもともと地元だった広島に引っ越したということで、
多くが広島のお店〔と推測される〕という完全アウエイのなか、
特定出来たモデル店が何軒かあるので、広島に行ったらそこを攻めようという企画です。

さて、宿に荷物を置いて、薬研堀通りを北上し、最初に向かったのが、鉄板焼きのお店です。
こちらで、オシャレしたパーティー帰りのワカコさんが食べた
絶品のアレを食べようと思ったのです。

右折して、細い小路にはいってしばらくすすむと、マンガでも描写された
特徴あるフォルムのお店を発見。あちらです。

が、お店に灯りが付いていません。
あれ? 土曜日は営業しているはずなのに。

近くまで行くと、
「地ビールフェスタ in ひろしま2015に参加しているので、臨時休業です。
よろしければ、そちらにおこし下さい。」とのこと。
あらら。
でも、お祭りって20時までなんだよなぁ、あと少しで終わりじゃないですか。

ということで、アレはまた次に広島に来た時の楽しみにして一旦断念し
薬研堀通りに戻って、更に北に上がります。

他に、この界隈で巡礼するといえば、昨年、一昨年と連続でふられたあそこかなぁ。
普通に広島のガイドブックなどにも複数乗ってるお店です。
そんな人気店でして、日曜も営業しているということで、
今日に予約の電話を入れて、翌日行く予定だっだのでしたが、
ま、ダメモトで行って見ましょう。

と、薬研堀通りを右折。周囲はいかがわしいお店があり、ひるむ雰囲気ですが、
お店の灯りはついてます。
あれ、外に置いてある看板はなくなったんですね。

カラカラとお店のドアを開けて、
「すいません、一人ですけど、大丈夫ですか」
「いらっしゃい。大丈夫ですよ、どうぞどうぞ」

やりました。これがまさに三顧の礼といか、3度目の正直です。
とにかく、ようやく念願かなって「ぷしゅう」出来ます。

落とし目の照明と自然木が生かされた緩やかな曲線が特徴的な
威風堂々としたカウンター席に腰を下ろして、まずはドリンクメニュー
カープのスポンサーということに敬意を表してアサヒかキリンか迷ったすえ、
キリンの生をオーダー。

ああ、喉に気持ちのいい刺激が走ります。
3時間以上声を出しっぱなしだった身としては、たまりません。

カウンター席ですが少し奥行きがあって、ゆったりとできる感じがいいですが、
圧巻なのが、スタッフの方の背後にある酒瓶の数々です。
広島の地酒が3ケタ種類あるというのは、伊達ではない。
いきなり実力を見せつけられた感じです。

出てきた突き出しは、シャクシャクの玉ネギにパプリカ
さらにほろ良い苦みのゴーヤにツナがマヨネーズで和えているもの。
この憎い味わいと歯ごたえのアンサンブル。
つきだしてコレですから、期待が出来ます。

そして、改めてメニューを吟味します。
お、お目当ての揚げ出しトマトを発見。これで当初の目的が達成できそうです。
そう、こちらは20夜、揚げ出しトマト の回で
ワカコさんが飛び込みづらかったといいながらも、最終的にぷしゅーをする
「ちょっこし」のモデルになったお店なのです。
と、考えながら、まずは早く出そうなじゃこ天と、ピリきゅうをオーダー。

静かに音楽が流れていますが、それ以上に楽しそうなお客さんの声が
いいです。落ち着ける人も、話しをしたい人もそれぞれの自分の時間を過ごすことが出来そうです。

お隣の方が注文したお酒を冷蔵庫に戻すときに、
しゅぽしゅぽと瓶の中の空気を抜いています。
お酒を大事にしている感じが伝わってきます。

ここで、じゃこ天が登場。
じゃこ天は、愛媛県は南予の名物ですが、
同じ瀬戸内海ということで、広島でも作られているもよう。
きつね色の表面と淡いグレーの断面がいい感じです。
口にしてもプリプリの食感も良ければ、生臭さを感じない味わいもいいなぁ。
じゃこ天は、家からほど近くて、愛媛出身の人が営業している
「カリー小屋」で食べて以来ですが、本場のは流石だなという味わい。

続いて出てきたピリきゅうも、キュウリの歯ごたえと、青くも水水しい味わいに
唐辛子やゴマ油がアクセントをくわえていて、こちらもお酒が進むメニューです。

ということで、ここで揚げ出しトマトと、牛すじ煮込みをオーダー。
本命を他のメニューで挟んで、巡礼者と悟られないの陣です。

ビール、ピリきゅう、じゃこ天で軽くぷしゅうをしていると、
スタッフの方が、「今日、ズムスタ行かれたんですか?」と聞いてきます。
この時のワタシの出で立ちは、紺の立て襟のダンガリーシャツでしたが、
その下には、応援の時に来ていたアンダーシャツがそのままです。
さらには、小さい荷物を入れるバッグがなかったので、
カープショップでグッズを買った時の紙袋を持っていましたが、
それだけで見抜くとは。

ま、見るからに一見のオヒトリ様ですから、簡単な推理かもしれませんが。

そこで、ワタシは、「ええ、今日は負けちゃいましたよ~、ヒースがねぇ」などと言ったら、
スタッフの方はワタクシの右隣に座っているカップルのお客さんを指して
「こちらも、ズムスタ帰りで、こちらの方に散々お話は聞きました」
などというではありませんか。

すごい。そうなんですね。

最初は、挨拶みたいな感じで「今日残念でしたねえ」「そうですね~」から始まって
お酒も入っているイキオイで、話しが盛り上がる盛り上がる。

「地元の方ですか?、などと聞かれたので」
「いや、…北海道から来て」
「!!」
などとビックリされてました。そりゃそうだよな。
ファイターズのゲームを応援に広島から来て、ススキノで飲んでる人とかを
偶然発見したらビックリしますよ。

そういえば、タクシーの運転手さんに、「どこから来たんですか」「ええっと、北海道から」
なんて話しをした時もビックリしてました。
その運転手さんが、「仕事の関係で行ってた旭川の焼き肉が忘れられん、毎日焼き肉食うとったわ。」
などと言ってたなぁ

話しをしていくと、そちらのご夫妻も、東京からの遠征組だそうで、
前日見たゲームの感想とかから始まって、濃い話しがとまりません。

と、いうところで、牛スジ煮込みと、揚げ出しトマトが登場。

牛スジ煮込みは、しっかりとした濃い褐色が、じっくり煮込まれたことをアピールしていますし、
揚げ出しトマトは一見揚げ出し豆腐風で、上には、大根おろしがたっぷり。
さらに海苔とか、あられとか、小口切りのネギが散らされています。
ただ、ほんのりと紅色なのが、トマトが隠れている気配がします。
おしゃれです。

あ、そういえば、ワカコさんは日本酒でいただいていたぞ。
そこで、カープ遠征なので「清酒 英心」を出した白蘭酒造をお酒をと思ったのですが、
なかったので、同じく三次のお酒、瑞冠 純吟山廃亀の尾をヒヤで注文します。

すぐに一升瓶からトクトクと注がれて登場。
チェイサーで仕込み水が出てきますし、店内には、チェイサーの効能が書かれた紙が張られています。
ここもお酒に対する愛情が感じられます。

クイッとあおると、軽い米の香りに甘さとスッキリとした感じの飲み口が
爽やかで、後味もひかない感じです。しみじみしみます。美味しいなぁ。

そして、揚げ出しトマトをいただきます。

優しく丁寧な出汁の味、大根のほろ苦み、
そして少しだけ残ったサクッとした揚げられた食感から、

暖められたことによって、爽やかな酸味とほのかな甘味や苦みなどから構成された
複雑な旨味の塊が、にょろんと出てきます。

暖められたトマトが味わいのバランスが良くなって美味しくなるのは、
イタリアンでもカレーでも当たり前ですが、和のメニューでも実力を発揮するとは、
軽く噛むだけで、口の中で旨味が溢れてきます。
しかも、ほんのりとした爽やかな酸味が出汁の穏やかながら深い味で
さらに深められています。相乗効果でめちゃくちゃ美味しい。

揚げ出し豆腐も、淡白ながら、豆腐ならではの滋味あふれる味わいを出汁などがうけとめていますが、
トマトのような複雑な味わいの素材でも、その味わいを
最大限引き立てているところが、この出汁・大根・天ぷらの衣の組み合わせは、本当にスゴいです。

あられと刻み海苔&ネギも、トマトが和にマッチするのだということを
再認識させてくれるかの如く機能します。
これが、揚げ出しトマトです。

この組み合わせを考えた職人さんに脱帽です。

そして、出汁のあじが日本酒によくあうのです。

ワカコさんは、

トマトと言えば 「これとトマトか!?」 って思っても
そつなく何にでも 合ってしまう おりこうさん

だからこそ
揚げて
出汁て
おろしと 海苔と
あられを 添えるとは

ふわ カリッ

よくぞ 思いついて くれました

揚げ物だし ビールかな? と思ったけど
やっぱり 出汁には ポン酒

無限に広がる 和の可能性 
ぷぅしゅー

トマト 酸っぱすぎず 出汁に合う
きっとそんな品種を 選んでいるんだろう


などと思いながらいただいています、
うん、わかりますワカコさん!!


牛スジ煮込みも、見た目どおりのホロホロに炊かれた肉が
口の中で肉滴を溢れさせながら溶けますし、
濃い醤油の旨味とあいまって、濃厚な味わいとなっています。
ゴボウの無骨ながらも、野趣に富んで根菜を食べている感を満たしてくれる味わいや
たまねぎの甘くトロトロな味わいもお肉を引き立ててくれます。

こちらも日本酒にベストマッチです。

お酒も美味しいし、揚げだしトマトをはじめとしたおつまみも全部美味しい。
あああ、楽しい夜だなぁ。
自分が飲んでいるお酒をお隣さんにもすすめたり、
お隣さんのオススメのお酒に舌鼓を打ったりと
メートルもあがると、話しが盛り上がっています。
そんななかで、

「マンガとか読まれますか?」という話しが振られたので、
ワタクシの「ええ、結構読みます」の声に
「あの、ちょっと絵柄とか少女マンガというか、女の子の飲み歩きのマンガがあって…」
なんて話しをしだしました。
ひょっとして…
「それって、ワカコ酒ですか?」
「えー、知ってるんですか?ワタシ、そのマンガ大好きで、広島来るの楽しみにしてたんです。
たまたま昨日寄ったこのお店も、今日も通っているんですけど、
揚げ出しトマトってあって、マンガ思い出しちゃいました」

えええ!!!
今度は私が驚く番です。

「いや、あのマンガに出てきたお店のモデルってこちららしいんですけど」
「ええええ!!」
そして、先方の方が驚く番でした。
というか、知らないで来ていたのか。

すると、そちらの女性の方が、
「こちらのお店、ワカコ酒に登場したお店なんですか?」とお店の方に聞きます。
僕は、そういうのはほとんど聞かない人ですので、聞いてもらうのは珍しい。
すると、お店の方が、
「ええ、そうなんです。1巻と4巻に出てます。」

えええ、またまた僕がびっくりする番です。
宿にかえって、持ってきたワカコ酒の4巻で確認しました。
83夜 クリームチーズの味噌漬けの回です。
メニューではカマンベールチーズの味噌漬けになってました。

ちなみに、ワタシがその時にもっていた紙袋には、1軒目予定していたお店の地図が載っている
「まんぷく広島」で、新久さんが好きなら、これ読むもお勧めしました。
そちらの方は、「東京戻ったら、すぐ買います」とか言ってくれました。


話しを戻して、そんな邂逅があったりとか、

私らもカープトークで盛り上がっていますが、当然お店の方もカープファン。

広島市民球場の最初のゲームと
ズムスタの最初のゲームと、それぞれ親子二代で入場券を持っている。
という話しを聴かせてもらいました。
「額とかに入れてるんですか」と聞いたら
「いや日焼けするので奧に閉まってます」とのこと。本物です。

そんな話しを楽しんでいるとあっという間に時間が過ぎます。

そちらのご夫妻も、5月2日は神宮に来るとのことなので、
「では、5月2日の神宮でまたおあいできたらいいですね」と分かれて
宿に戻ったら、23時を大分まわっていたということです

最初は、揚げだしトマトと広島名物をちょこっと軽く食べて
1時間程度で宿へ帰ろう、とか考えていましたが、時間がすぎるのが早かった。
昨年は、ナイターを終えての府中焼きですから、23時に宿に帰着するのは当然ですが、
デーゲーム終えてから飲み出して、この時間まで粘るとは、
我ながら頑張ったなぁ、という感じです。

ただ、こちらでは、ウニホーレンも、あなご天も、がんすも、
チーズの味噌漬けもまだ食べていません。

ということで、来年も絶対に、再訪 します。

昼はカープ、夜はワカコ酒。最高の夜です。

そして、翌日も野球後にワカコ酒巡礼をしたのですが、
続きについては、また明日のブログで書きます。

よろしければおつきあいください。



かつて、コミュニティー放送局FM「ラジオふらの」(富良野市)の
月曜午後五時からオンエアーしていた
FURANO History Factory(F.H.F.フラノヒストリーファクトリー)の
パーソナリティーをつとめていたイトー×aniでした。(´・ω・)ノシ
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