前回までのあらすじ。

大腸に出来たポリープを切除するために、小樽の某病院に入院したイトー×ani
無事に手術は修了したものの、なにせ空腹がおさまらない。
最後に固形物を口に入れたのは、24時間前に口にした、
ビスコとグミ状のゼリーのみ。米の飯(お粥ですが)にいたっては、30時間前の話で、
もう腹が空きすぎてどうにかなってしまう状態です。

しかも、病院食が妙にウマそうに見えるのは、「孤独のグルメ」でも実証済み。
図らずも追体験することになってしまいました。

ただ、オリエンテーションの時にもらった、入院時の過ごし方が書かれた紙には、
夕食の欄には「全粥」と書いてあります。

ひょっとしたら、前日のエニマクリン食同様、粥と汁しか出てこないのかな、
ま、大腸のポリープを切除したからやむなしか、と思いながら迎えた午後6時

「夕食で~す」の声とともに、じゅるじゅると唾液が出てきます。
この条件反射。これまた「刑務所の中」ですよ、これじゃ。
点滴を手の甲からはずしがてら、看護師さんがトレーを持ってきてくれました。

当初は全粥のみを覚悟していましたが、きちんとおかずも乗っていました(嬉)。
プラスチックのトレーに載せられた、フタのついているプラスチックの椀と
フタのついている、長方形っぽいプラスチックのお皿。
さらに、皮のない焼き茄子と、ビーフンのやわらか煮と、牛乳。

当初おかずはないと思っていたワタクシですから、もうこれだけで大コーフンです。
これが、病院食ですよ。
というか、ほんのわずかな期間の入院ですが、
食事だけが楽しみになります、これなら。

椀のフタをあけると、おかゆが小ぶりの丼大の椀一杯にはいっています。
そして、もう一方のフタ付きのお皿のふたを開けると、
こちらには、野菜とお肉の炒め物が入っています。
おかずがないと思ったらなんとお肉まで。ありがたいことです。

とにかく腹が減った。
では、「いただきます」
まずは、お粥を一口。

ずずっ。

うん。お米がうまいですね。
あーっ、たまらない。五臓六腑までしみわたります。

これこれ、この味。

もう一口しか食べていないこの段階でお粥を掻っこみたくなる衝動を抑えて
ゆっくりともぐもぐいただきます。

ほふほふ

うん、うまい。しみじみと、うまい。


続いて、野菜と鶏の塩炒めを。一口。

うん しみてる しみてる

くったりとなるまで煮込まれたもやし、キャベツに、
色が褪せるまで煮込まれたにんじんにピーマンのなかに
細かく切られ、これまた柔らかく煮込まれた鶏肉が入っています。
病院食なので、消化を助けるためにそれぞれがしっかりと煮込まれてます。
そして、ほんのりとする出汁の味と塩味も体によさそう。
しかも、そこまで味が薄い感じはしないのでおいしいです。
というか、野菜とかお肉とか食べられるだけでオイシイです。

うむ うまい

続いて、ビーフンの柔らか煮を食べます、

ほふほふ

ビーフンとほんのり塩と出汁の味のスープと、
こちらも色が褪せるまでしっかりと煮込まれたピーマンとにんじんが入ってます。

ほう、これは、ビーフンか。
ピーマンとにんじんまで

ほふほふ
うん、うん、うまい うまい

こちらも味わいと舌だけでなく、喉も胃もやさしげに受け止められるものです。

つづいて、皮がむかれた焼きナスをたべます。


こういうのが嬉しいじゃないか。
ほふほふ
くしゃ くしゅ

こちらも、柔らかく調理されているものの
素材の味わいを邪魔しない、やさしげな味付けがいいです。
「この茄子 マジメな味」という感じで
茄子汁と、出汁をきかした味付けの汁のコラボレーションに酔いしれます。

うん、うん、うまい うまい
いいぞ、病院食、いいぞ。

お茶を飲みながらろ、これらのメニューを丁寧に食べていきます。
ベッドの上で食事を食べるという非日常的なシチュエーションがまた、病院食の醍醐味。

こういう場所で食べると 全然別物に感じる 
くしゃ くしゅ

という気分を味わいます。

が、これを食べ終わったら、次の食事まで13時間以上あいてしまいます。
だから、ていねいに、ゆっくりと味わって食べようとはするのですが、
でも本能が早く食べたい、もっと食べたいと、箸をすすめようとする
そんなせめぎあいが食事の間中、脳内に去来しますし、
だんだんと皿の上のものがなくなるたびに、そんな13時間何も食べられないということを
想起してしまうのか、食べているのにお腹が減る状態。

これが、「食べ始めているのにさらに腹がへっていくようだ」ゴローちゃんが呟いた
あれですか。

そういえば、僕がまだ内視鏡検査に備えて何も食べずに居た時に、
お昼ご飯の時間がありまして、カーテン1枚で隔てられたでお隣さんが、
ずっずずうと音をたててご飯を食べていました。
やめてくれー。って思いながらも、
「生きているというのは体にものを入れてくということなんだな」
という気分も追体験しました。

という感じで、気がついたら200mlのパック入り牛乳を飲み干して
お茶を、ずずぅっ とすすって、夕食終了です。

その後検温をしたら37.2℃あったので、看護師さんが水枕を持ってきてくれます。
水枕ってのも、本当に久しぶりです。

その後は、NHKのテレビ放送60周年記念的な番組などを見たり、
本を読んだり、そうそう、お隣に入院をしている方のお見舞いの方が、
「今日のメニューは、野菜と鶏の塩炒めで、明日はおかか和えだって」
と言っていました。ということは、どこかにメニューを貼ってるのか
などと思いながら、病棟内を散策しながら、メニューを発見。
明日の朝食も全粥なので、パンではありません。
あのメニューはできませんね。などと改めて確認したり、

あと、どうせヒマをもてあますことになるだろうと思っていたので、
夏の大お祭りの申込書などを書きながら夜をすごして、この日は終了。

これぐらいの時間的余裕があると、大お祭りの申込書や封筒や短冊や
何度も写経のように書き写す作業も、丁寧に確認しながらできるので
いいですね。
と、いうか、病室で何やってんスか。ヲレって



翌日は、朝起きて、雑誌と新聞を見ながら
NHKの「おはよう日本」とかを見ていると、検温と血圧と血液検査をしに
看護師さんが登場。

氷枕のおかげで熱も36.6℃まで下がったので一安心。
その後7時45分頃に廊下から「朝食で~す」の声がしたので、
朝食のトレーをとりにいきます。

トレーの上に乗るのは
蓋付きの小ぶりな丼と、味噌汁。
それと、温泉卵と、カリフラワーのおかか和えと、鯛みそに、パック牛乳。

うん。今日もウマそうです。

「いただきます」

まずは、丼の蓋を開けて、お粥から

ずずっ。
ほふほふ
うーん。しみます。

13時間以上ぶりのお粥は朝からしみじみとしみますね。

味噌汁を一口。そんなに濃い味付けではないですが、
塩と出汁以外の味わいがウレしいです。この豆が発酵した味がいいですね。
日本人のDNAに訴えかけてくる味です。これは。
具はしっかにと煮られたかぼちゃと、大根の葉?で、こちらも素朴な味わいです。

白いカリフラワーが出汁とほんのりしょうゆで味付けられていて
おかかがまぶしているおかか和えも、ほっとできる味です。
鯛味噌の甘いあじわい。ほのかなお魚の香りと味もいいですよ。

温泉卵も、卵自体と、上品なお出汁の味わいの組み合わせが
おなかにやさしい組み合わせ。

最初は白粥で食べたのちに、鯛味噌風味でお粥を味付けたあとは、
温玉を投入して、玉子かけご飯風にすると、バリエーションをつけて
お粥を楽しみます。


お粥、味噌汁、鰹節と薄味の野菜の煮物にお魚味の味噌と卵の組み合わせが来ると
「なんだかんだ食っても しょせん俺たちゃ島国の農耕民族ということか」
というせりふも自然に出てきます。

そう考えると、やはり孤独のグルメの病院回は
スゴいなということを再認識できます。

あと、「刑務所の中」の食事の話もそうですが。

そういえば、前回僕が入院した昭和の時代には、当然「孤独のグルメ」も
「刑務所の中」もありませんでしたが、やることなくって、
真っ先にやったのが、病院食のメニューをメモすることでした。

だから、「刑務所の中」の巻末に載っている、
花輪和一さんがとった食事メモを見て、親近感を覚えたものです。

その後、X線や心電図などをとったり、
前日の治療から午前の血液検査などの検査を総合した結果を持って
お医者さんが回診に来て、このときに退院許可がおります。
ひとまずよかったよかった。

その後、看護師さんに「お昼も食べていけますがどうしますか」と聞かれまして
病院食をあと一食という思いもあったのですが、
とりあえずは早くに退院をしたいので、そのむねを告げます。

だから、「こんな朝ご飯、シャバじゃお目にかかれんぞ」のパン食には
ありつけることはなかったのです。

と、いうことで簡単に身辺整理をして、自分の服に着替えて、
失礼いたします。とお隣さんに声をかけて病室を辞します。
「おつかれさまでした」とお隣からは声が帰ってきましたが、
あの人はいつまで入っているのかな。

ナースステーションに挨拶をして、病院をあとにします。
時間は11時30分ほど。お腹もいい感じですいていますが、
アルコールや刺激物、消化に悪いものはなるべく食べないように
という指示が出ていますので、当初は近場のエスニック料理屋に行くつもりでしたが、
宗旨替えをして、ご近所の「麻ほろ」さんで、「あっさり塩」のラーメンをいただきました。

鰹節、煮干し、鯵節、羅臼昆布などの魚介系の出汁が美味しい
きれいに澄んだスープの複雑な味わいに酔いしれます。
が、消化器に負担をかけないということで、麺とかをも
しっかりゆっくり噛んでいただきます。
こうすると麦って味がして、これはこれでです。

煮込まれたササミは、消化によさそうですし、鶏の味わいもいい感じです。
ただ、いきなり、メンマとチャーシューが出てきたので、
こちらも執拗に噛むことで、なんとか勘弁してもらいます。(何に?)

と、いうことで、濃厚メニューが食べられるのはいつかなぁ
などと思いながらも、美味しいラーメンに大満足して、
この日も、小樽市内のホテルの人となったというわけです。


あと一回、組織を分析した結果が出るために、
また、病院に行くことになりますが、
そのときも何もなければいいなと思っています。

だからというわけではないですが、
検査の前々日から今にいたるまで、
アルコールは体の中ら一滴も入れていないのです。

珍しいです。酒に汚い日本人の僕としては




かつて、コミュニティー放送局FM「ラジオふらの」(富良野市)の
月曜午後五時からオンエアーしていた
FURANO History Factory(F.H.F.フラノヒストリーファクトリー)の
パーソナリティーをつとめていたイトー×aniでした。
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