☆「キッチン すみっこ」(大田区西蒲田7-23-6 イズミコーポラス 1F)

冬のお祭りのときに行ったカレーやさんの話です。

蒲田はイベント目的で上京する時に良くお世話になる町です。
空港、お祭り会場、ビジネスコンビニなどへの便がよく、食事場所に困らない。
現在は自分にとって、2番目に使い勝手が良い宿が蒲田にあるので、
ここしばらくは1番目がとれなかった時は便利に使っていますし、
宿泊場所が今のように固定してなかった時も、某大鳥居のビジホとか、
蒲田での宿泊が多く、その時も食事はたいてい蒲田でした。
さらに、2000年代初頭にハマったマリみてのオンリーイベントが
川崎や蒲田であったりしたことから、蒲田はイベントの時には
気が付いたら寄る町となったのです。

そして、以前より、食べるとなると、主に餃子とか中華とかをがっつり食べていました。
が、そんななかで気になるお店がありまして、そちらが西口駅前の
「南蛮カレー」だったのです。
一見駅前のカレースタンドなのですが、常に混雑をしていて、
外へも伝わっている熱気と、凡百のカレーチェーンとは異なるタタズマイが、
オーラになって放たれてているお店でした。
「某巨大匿名掲示板」のカレー板にもスレがあったりしたので、いつかは寄ろうかな
と思っていたのです。が、そんな矢先の2010/9に、閉店を知りました。

がーんだな。

ところが捨てる神あれば拾う神あり、南蛮カレーのスタッフの方が、
蒲田で南蛮カレーの味を引き継いで提供しだしたというのです。
そんな話をネットで見て、これはいかければなるまい。と思い、
今回の冬祭りの上京時にむかったのです。

JR蒲田駅西口から商店街を歩くことしばし、年の瀬独特の喧騒にあふれる
にぎやかかな商店街をこえて、少しお店の密度が少なくなると、
蒲田にも数店舗展開している某ビジホ。こちらのチェーンには大変お世話になっている
ワタクシですが、こちらにはまだ泊まったことはないなぁ。と思いながら
ホテル横を通りすぎた後に左折して、閑静な住宅街に入ると、
そんな中でほんのりと灯る明かり。
を。開店してますね。年の瀬なので営業していない飲食店も少なくない中、
この明かりは有り難いです。

中に入ると、お店の方と常連風のお年をめした常連風なご夫婦が談笑をしています。
ここがもうすでに暖かいです。
小さい洋食屋さんとか、カフェを思わせる白い壁と
茶色い椅子やテーブルに白い革張りといった瀟洒な内装がいい感じです。

そこでテーブル席に腰をおろしてメニューを吟味。

お定食
ロース生姜焼き定食 800円
ロースかつ定食   900円
ヒレカツ定食    900円
エビフライ定食   850円
ハンバーグ定食〔目玉焼き付〕 850円
盛り合わせ定食〔ハンバーグ・エビフライ〕 900円
ミックスフライ定食〔カニコロッケ・エビフライ・ヒレカツ〕 900円
カニクリームコロッケ定食 850円
 ※ライス・味噌汁・お新香・他一品が付きます。

サービスメニュー
ポーク焼き定食 650円
 ※ライス・味噌汁・お新香・他一品が付きます。
 ※ランチサービス コーヒー1杯が付きます。
コーヒーおかわり1杯100円になります。

スパゲティー
ナポリタン 〔サラダ付〕 700円

カレー
カツカレー 680円
ビーフカレー〔サラダ付〕 650円
チキンカレー〔サラダ付〕 500円
野菜カレー 〔サラダ付〕 500円
ポークカレー〔サラダ付〕 450円
玉子    〔ゆで・なま〕 50円

そして、飲み物各種というラインアップです。

全体的に安いです。しかも洋食の基本メニューは全部そろっています。
さらに店長のおススメと朱書きされているカツカレーですが
ビーフカレーと比べて30円しか差がないって価格設定もいいですね。

メニューを吟味したのちに生ビールとカツカレーをオーダー。
出てきた生ビールでのどを潤したのちに、
テレビの音声が流れるゆったりとした雰囲気の中でまつことしばし、

2人掛けのテーブルが3つと4人掛けのテーブルが2つの
小さいレストラン的な雰囲気の中には僕とお年を召したご夫婦しかいません。
僕的にはお祭最中ですし、年の瀬で周辺は慌ただしい空気ですが、
ここはゆったりと時間が流れています。

机の上には、中濃ソース ハラペーニョソース タバスコがおかれて、
どうやらこれが、南蛮カレースタイルのようです。

次第に大きくなってくる「ぢぢぢぢ」という揚げ物で油が爆ぜる音など、
中で調理されている時の音もいい感じです。
そしてそんな音が次第にやむや、カレーの香りが強くなります。

満を持して登場したカレーは、白く楕円形のお皿の3/4をおおうような感じで、
カツが広がり、その大きいカツやライスを覆い隠すように
たっぷりの黄色がかった焦げ茶色いのカレールーがかかっています。

カツカレーといえば、カツも揚げた面が2/3くらいは見えるように
ライスも白い部分が1/4くらいは見えるようにといったごきげんような感じの盛り方が
パターンですし、ある意味典型ですが、そんな概念をくつがえすカツカレーです。
たっぷりとかかったカレーごしに見えるカツとライスのフォルム。
まずはカレーをくわなきゃライスにもカツにも到達できないという難攻不落、
不沈空母のような大艦巨砲主義のカツカレーなのです。
wikipediaには数パターンのカツカレーの写真が乗っていますが、
「豚カツ全体にカレーをかける盛り方キャベツ千切り添え」との説明付きで
こちらの写真が載っています。納得です。

カツもライスもカレーで覆い隠すお店って、北海道で行ったところでは、
倶知安の起龍といい、札幌の銀星といい、余市のやまかつといいハズレないんです。

さらには、残った部分にはたっぷりの千切りキャベツがのっかっている
金沢タイプです。ルーが濃厚そうなのもそうですね。

ということで、まずはルーから一口。
「いただきます」

濃い味の中にさわやかな食後感とスパイシーさが、ほのかに混じる交響的なカレーです。
動物由来のエキスの濃厚さの中で光る、野菜・果物などの自然な甘みとかが、
味わいの濃さを補いながら、さわやかな食後感をもたらしてくれます。
そして、カレーならではのスパイシーさも軽くトンガった感じで
しっかりとしていてこのバランスはいいです。

南蛮カレーは前身がカレースタンドのカレーなので、
もう少し作り置きって感じを想像していたのですが、
いい意味で期待をうらぎってくれる丁寧に作られているカレーです。

しかも、スパイシーさも辛味だけが突出して目だっているわけではなく、
おいしいカレーの引き立て役として食欲を盛り上げ、舌を喜ばせてくれます。
そんな丁寧につくられているのがわかるのに、イバった感じがしなくて、普通にウマいのです。
シッチョコバッタ気がせずに、普通に毎日食べたくなるような
特別な感じのしないオイシさですし、この普通さが、味なのです。
この普通さを求めていたのです。 という気分を満たしてくれます。
普通にウマいとか、等身大にウマいとか、孤独のグルメのゴローちゃんのごとき感想が
次々でてきます。ま、昼に浅草の「佐久良」さんを巡礼したばかりなので、
そんなスイッチは入りっぱなしですが。

そして、このスタンドカレーという先入観をいい意味でくつがえすのは
ルーだけでなく、カ ツもそうです。

確かに厨房で「ぢぢぢぢ」といい脂が爆ぜる音をたてていましたので、
期待はしていました。
ただ、やはり、すでに衣がつけてあって、揚げるだけというスタンドカレーの
定番のイメージを想像していましたが、こちらも違いました。

半面にたっぷりとカレールーをまとったカツをサクッといきます。
カツの上面は完全にカレーに覆われていますので表面は見えませんが、
裏側のライスと接していてカツの色が出ている部分を見ると、濃いめのきつね色のカツです。
ご飯で衣が蒸されているせいもあるかもしれませんが、
パン粉が主張する、エッジがたっている見るからにさっくりとした感じ
ではないですが、美味しそうに揚がっているカツです。

ということで、カツをサクっと。
揚げてからの時間もあるでしょうし、上はカレーをまとい、
下はライスで蒸されているので、完全にサックサクとはいきませんが、
このような状態でも揚げ立ての時のサクサクが伝わってくるのです。
そんなのを想起できるうえに、お肉もしっかりとやわらかくジューシーで
断面も色鮮やかなら、軽く噛むだけで肉滴が出てくるのでここも良いです。

これは、カツ単品でも当然いけますよ。
ただし、この極旨のカツと、極旨のカレーの組み合わせがカツカレーなのです。
当然ライスとの組み合わせも言うことなし。

併せて食べると、カレーを作るときの手間に、カツを揚げるときの手間が
一気に口の中で広がるという贅沢な気分を味わえます。
衣のサクサクさと衣から滲む油のハーモニーにカツの肉から滲む肉滴の味わい
そんなカツが半面全部でこのカレーを受け止めているわけですから、
カレーのこく、ウマ味、辛さとカツの油、肉のバランスが
全部あいまってエラいことになっています。

この組み合わせを考えた人は天才ですね。ほんとありがとう、
千葉茂か河金の人って思います。

ほかほかご飯との組み合わせも文句なし。
さらには金沢カレー的なキャベツの千切りもいいですね。
最初はシャキシャキですが、次第にカレーに侵食されて
最後にはカレーと渾然一体となって、くったりとしてきて
カレーの具の一部になる。ただ、でもほんのりと甘くて爽やかな味わいです。

そして、このテのカツカレーは「食の軍師」(泉昌之 著 日本文芸社 ニチブンコミックス)の
本郷考案の「寝かす!!」食いを意識せずに最終的に「寝かす!!」食いになります。
ということで、最後までカレーを楽しんでから、ビールをぐびっと流し込んで、
口の中が幸せなさわやかさになります。
「ごちそーさまでした。」

ということでこちらのお店をあとにして師走の蒲田の街へ消えました。


そうそう、食の軍師といえば、本郷は、ホルモンば南蛮のイメージとか
南蛮王孟獲などを出したりとか、牛久とかをやたら蛮地呼ばわりしているわりには
お気に入りにしていますが、
ここの南蛮も気に入ると思いますけど。
どうでしょう。



☆「キッチンすみっこ」(大田区西蒲田7-23-6 イズミコーポラス 1F)
◇営業時間◇11:00~15:00 17:00~21:00 ◇定休日◇日曜日 
◇駐車場◇無し ◇電話◇03-3732-8458





☆「cafe 黒猫茶房」(杉並区阿佐谷北2-4-2)

お祭りの2日目は小雨が降っていますが、せっかくのお楽しみということで、
阿佐ヶ谷まで遠征をします。
某「散歩もの」に出てきたガネーシャが、2012年5月下旬に一旦閉店したのちに、
阿佐ヶ谷で復活をするという情報を得ました。
しかも、年末年始も休まずに営業するということで、これは行くしかないと思ったのでした。

駅を降りてダイヤ街の中を歩き、庶民的なスーパーのタタズマイとかを味わったのちに、
駅北口の阿佐ヶ谷スターロードに出ます。
阿佐ヶ谷駅から西に、中央線の高架に添うように伸びるのがスターロードです。
居酒屋やバー・喫茶店などのグルメスポットが多数集まっています。
駅のすぐ北にあるのに、いきなり猥雑な昭和感じの濃厚な世界に突入です。
その通りの名前が書かれた柱状のオブジェのような看板とか、そのロゴとかが、
まず昭和。厚いビニールで仕切られた居酒屋とか、精肉店などが雑然とあるところも雰囲気で、
何軒も寄りたくなるような店のある通りで、
井之頭五郎氏がぶらりと歩くのに極めてふさわしいタタズマイです。

そんな中、歩くこと5分足らずで、南欧風の集合建築っぽい外観のたてものを発見。
真っ白の外装のこちらのようです。
中へ入ると、常連さん風のかたとお店の方が穏やかに談笑されています。
なんだかいい感じです。

カウンター堰に腰を下ろしてメニューを拝見させていただきます。

フードメニューは

ガネーシャ チキンカリー   1000円 (単品) / 1500円 (セット) 
黒猫茶房の前身は、吉祥寺ハモニカ横丁のカリー専門店「ガネーシャ」(2000,11月~2012,5月末まで営業)。 そのガネーシャで一番人気だった定番「チキンカリー」を黒猫茶房は今も尚作り続けています。サラサラのソースは味わい深く、クリームやバター、小麦粉、スープストック等を使わずに野菜のみでコクと旨みを出しています。皮を外して調理する国産の良質な鶏胸肉は、ほろほろと崩れるような柔らかさです。香り豊かなヘルシーでマイルドなカリーは、インドの方からも「お袋の味!」と懐かしまれています。

その他にも、ケーキなどのデザートメニューに飲み物各種。だそうです。

これは期待できます。
ということで、ガネーシャチキンカリーのセット、コーヒーはロアで。

BGMのオルガンに耳を御手向けつつ、持っていた本をぺらぺらとめくりつつ、
さりげなく周囲を見渡しますと、カウンター席が4席、
小上がりにはちゃぶ台など小テーブルが2つありまして、
外装同様に白で統一されていて清潔感が溢れている感じです。

よく見ると、置いてある本とか小道具などにお店の方の個性が溢れているような気がします。

そんな感じで待つことしばしで登場したのが、芳しい香りだけで、
もう大当たりを確信出来るカレーです。これはウマいに違いない!!

白い地に藍色でつる植物が書かれた小さなボウル状の器には淡いオレンジ色のカレーと
ゴロゴロと入っている大ぶりのチキン。
同じようながらのおさらには、丸くライスがもられていまして、
ライスにはレーズンなどのドライフルーツがのり、顔のようです。

では、「いただきます。」

まずはカレーからいただきますと。複雑な旨みと甘みが訪れてきます。
赤い色や複雑な旨みと爽やかな酸味の原因であるトマトや、
甘みとこちらも複雑な旨みの原因となる玉ねぎのあじわいがまずはいい感じです。

さらに具のチキン以外からもしっかりと出てきている肉のエキスに、
ガーリックの野趣に富んだパンチ、
そして、これまたカレーにさわやかさと濃厚さをもたらしてくれる
ヨーグルトの味わいもいいバランスです。

このようなというしっかりとした旨みとコクと濃さと酸味の
絶妙でしっかりとしたベースの上で奔放に主張をするゴリッとしたスパイスです。
ゴリゴリっとした粗挽きのコリアンダーとか、クミンなどのスパイスが
ビリっと刺激を与えてくれるて、いいアクセントです。

というか、トマト・ヨーグルトのベースに下支えされて、ゴリゴリっとしたスパイスって、
これこそインドカレーの醍醐味です。
最初からウマ味とコクがガツンとパンチをきかせて口の中に広がってくるのですが、
ほんのわずかな時間差でスパイスの刺激が、これまたガツンとしたパンチで訪れる
この味の変化と、旨みや刺激の重層構造。

とはいうもののスパイスの刺激だけが突出しているのでなく、
それぞれの味わいのバランスの中スパイスが旨みの一部として機能をしているのです。

これはウマい、本当にウマい。

具材のチキンは口の中で軽く歯を立てて力を入れただけで、ホロホロとなるやわらかさとともに
肉の中から自然にあふれてくる肉滴の旨みがにじんできて、そんな肉滴が
特濃のカレーをさらにオイしくしてくれます。
他の具材のほんのりとした味わいの甘みとホクホクの食感もホッとさせてくれます。

そんなカレーとライスを交互に食べます。
ライスの上のドライフルーツの自然な甘みもカレーの箸休め(箸ではなくスプーンですが)
ここならではです。

サラダも凝った感じの酸味が強めでクリーミーなドレッシング。
ゆで卵の黄身が鮮やかな色合いの半熟気味でトロッとしているところもたまりませんし、
こちらも口の中が爽やかになって、新鮮な気持ちでカレーにむかえます。

そして食べ進めていって、いつものように、残ったスープにライスを投入し、
カレーの器にこびりついているカレーや沈殿したスパイスを
最後の最後まで味わいつくします。

で、水をくいっとのむと、
お店の方がコーヒーをいれてくれます。

というか、このコーヒーを入れる手順も本に目を落としつつちらちらみていたのですが、
鮮やかで。細い口のポットかせコーヒーを静かに上から流し込む。空気をまぜて美味しくする感じです。
職場でも、惹きたての豆でオトシタコーヒーを飲んでいるワタクシですが、
豆が違うのか、いれかたが違うのか、鮮烈な味わいと、美味しい苦味。
ただ、いつまでも苦味が残るのではなく、すっとひく後味が絶妙で、
ここまで美味しいコーヒーを飲んだのははじめてかもしれません。

ということで、美味しいコーヒーを飲んで豊かな気分になったところで、
「ごちそうさまでした。」
そんなほっこりと暖かい気持ちで外へでましたが、

スターロードの雰囲気を見る内に、やはり、ここは中央線文化が色濃く残る町で、
吉祥寺などとも相通じるあじわいがある。ということで、
同じ中央線文化のカテゴリーの人である久住昌之氏との親和性もむべなるかな、
ゴローちゃんが歩いていそうな町のはずです。 

同じ中央線文化を色濃く残しているということで、ハモニカ横丁からスターロードへの移転も
こちらのお店的にも大正解だったということですか。
あと、お隣のお店の名前にも「ねこ」がついていたような。

と、いうわけで、「いっのっがしっらっ フー、ゴローっ♪」と井之頭五郎のテーマを
鼻歌で口ずさみながら、「スターロード」を駅に向けて歩くと、
気分はドラマのエンディング。

そんなのが本当に似合う町です。阿佐ヶ谷は。




☆「cafe 黒猫茶房」(杉並区阿佐谷北2-4-2)
◇営業時間◇〔月~金、土・日・祝]12:00-24:00(L.O.23:30) 
◇定休日◇ 水曜日 ◇駐車場◇無し ◇電話◇03-3337-7202


あなたのオススメはどこのカレーですか?

あなたのカレーに対するこだわりはなんですか?

よろしければ、コメント欄などで教えてください。


ラジオにあったコーナー「富良野印度化計画」の内容と、
かつて僕が訪れたカレー店については
左の欄のカテゴリー「印度化計画」をクリックしてくれれば、
見ることができます。

かつて、コミュニティー放送局FM「ラジオふらの」(富良野市)の
月曜午後五時からオンエアーしていた
FURANO History Factory(F.H.F.フラノヒストリーファクトリー)の
パーソナリティーをつとめていた
イトー×aniでした。
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