fc2ブログ
先日、畏友P氏と電話で話しているときに話題になったのが、
札幌で行われるイベントのことでした。

それは、こんな記事をネットで見つけたからです。

コミックナタリーの記事です。

引用します。


札幌で「マンガ夜話」メンバー集結のトークセッション開催

2012年2月13日 18:01 104

「『ホッカイドウ学』的 マンガ学夜話」

いしかわじゅん、夏目房之介ら「BSマンガ夜話」の出演メンバーが集結するトークセッション「『ホッカイドウ学』的 マンガ学夜話」が、3月6日に北海道・札幌市生涯学習総合センターちえりあホールにて開催される。

「ホッカイドウ学」とは札幌国際大学が一昨年よりスタートさせた、新たな枠組みでの地方学の可能性を模索するプロジェクト。当日は「マンガ夜話」メンバーが北海道ゆかりの作家や作品を中心に、マンガと風土の関係性についてトークを展開する。

司会を務める大月隆寛は「北海道が実はマンガ家の豊作地帯ってことは一部で知られてます。でも、そのことの意味も背景も、実はよくわかってない」とした上で、「だったら、あの『夜話』のフォーマットで『夜話』のメンバーで、そのへん含めてちょっと考えてみるのはどうよ、と思った次第」と開催の動機を語っている。参加予約はFAXまたはメールにて受付中だ。

「ホッカイドウ学」的 マンガ学夜話

日時:2012年3月6日(火)18:30開場 / 19:00開演
会場:札幌市生涯学習総合センターちえりあホール
住所:札幌市西区宮の沢1条1丁目1-10
料金:予約1200円 当日1500円 学生1000円(中学生以上、要学生証)
出演:いしかわじゅん、岡田斗司夫、夏目房之介、笹峯愛、大月隆寛(司会)


これは行くしかないじゃないですか。

そこで、同じく、無類のマンガ夜話好きの畏友GMクンにも声をかけて
3人で行くことにしました。

が、当日予定が入って、p氏は参加できず、結局二人で参戦しました。


仕事を終えて、車で宮の沢へ。
ちえりあの大ホールは仕事の関係で何度か訪れているので
なつかしいなと思いながら、Gmクンと合流し、
国際大の学生さん〔たぶん〕に案内されながら会場の中へ


このような形のトークライブイベントに参加するのは初めてでしたが、
大好きだったNHKの番組が目の前で展開されているような臨場感があり、

出演者の方々のやりとりが、まさにライブ。
当意即妙の息の合ったやりとりだったり、
あのような話を受けて、こうつなげるか、といった
ジャズのアドリブやセッションを見るようなグルーブ感で、
すごくエキサイティングな時間をすごすことができました。

夏目房之介さんは、ご自身のブログで、イベントの感想をこのように書かれています。

一部を引用します。

「数年ぶりにもかかわらず、同じメンバーが揃うとなぜかもう、例によって例のごとし、まことに気楽に話はあちこちに飛び、いつも思うのだが、何でこのメンバーだとかくと緊張感がないかというほど、スムーズにいつもの流れでありました。」


納得です。


今回は、札幌国際大のプロジェクトであるホッカイドウ学にちなんで、
テーマが「ホッカイドウ学的マンガ夜話」で、
ホッカイドウの風土と、マンガについてという広いテーマでした。

出演者の方々が座るステージのうしろのスクリーンには、
ホッカイドウ出身の漫画家一覧とグーグルマップが映されて、
最初は、それを見ながらトークがすすんでいます。

出演者の一人がいしかわさんですから、吾妻さんの話とかは当然出てきますし、

このような一覧を示されると、比較的極端な人が出てきますね

吾妻さんとか、板垣恵介さんとか、花輪和一さんとか、星野之宣さんとか、
山本直樹さんとか、山岸涼子さんとか、三原順さんとか、いがらしゆみこさんとか

このメンツだけで、個性的で面白い雑誌ができそうで
どなたかが珍味の詰め合わせなどとおっしゃってましたWのですが、
ホッカイドウだけで雑誌を作ったりする試みがないのは、
まとまりがないからだし、わが道を行く系のマンガ家が多いことが原因で、
この理由となっているのが、北海道自体の土地が広くて、いい意味で大雑把な気質
っていう意見がだされて、納得しました。

ま、北海道だけでなく雪国出身のマンガ家が多いということが語られると、
閉じられた環境だからこそ、妄想が発酵する話になります。

また、北海道はその広さゆえに、昭和と平成、戦後と現在が混在しているとか、
北海道だけではないですが、地方の典型を「ケンミンshow」や、
その土地を舞台にしたドラマなどでを見ながら、それを自己模倣をし
再生産をしている、現在の地方が抱えている合わせ鏡のような構図。

それから、札幌には、この人口規模で寄席もなければ、
AKBも進出していないという中央文化が根付かないという文化に対するスタンスと
その反面、ハコモノばかり作っているといった話は、目からうろこが落ちる気分でした。



また、ホッカイドウ出身の旬なマンガ家ということで、
話題の1/4くらいが、荒川弘先生、なかでも百姓貴族や、銀の匙の話でした。

皆さん単行本持参でイベントに挑んでいましたし。


この二つの話と、鋼の錬金術師の関係だったりについての
各人の考察だったりも、勉強になりましたし、

「百姓貴族」と「銀の匙」は、教科書と参考書のような関係といった話も
納得がいったのでした。

それと、「銀の匙」のような、都会暮らしの若者が地方に行って農業をするような話でありば、
今まででは主人公が東京から北海道へ行くのがパターンなのに、
この話は、主人公が、札幌から北海道の地方都市へ行くというのが、本州の人にしてみたら斬新で、
それは、本州の人にしてみたら、札幌も帯広も似たようなものだから、
札幌と他の道内の都市との関係などを理解しなければ、少しわかりにくい
〔いしかわさんは読み返して気がついたそうです〕いといわれて、
言われてみれば…と思ったのです。

確かに、同じサンデーに掲載されていて、若者が第一次産業に従事するマンガといえば、
倶知安町にも縁がある、ゆうきまさみさんの「じゃじゃ馬グルーミングUP!」ですが、
主人公の俊平は、東京の進学校に通っている人でした。

それから、「じゃじゃ馬」の話でいうと、「銀の匙」の八軒がはじめて馬に乗った時の
視界が異なるって話を読んだゆうきさんが、
「オレが書きたかったのは、それだった」と言った話なども面白かったです。


あと、銀の匙で、夏目の目をやろうとしていました。これも面白かった。


このほかにも、たくさんの示唆的な発言が出てきて、勉強になりました。



当然、マンガ夜話ですから、NHK番組もかくやというような辛口の発言も出てきます。
ま、テレビ中継を前提としていないですから、もう少し辛口になるかなと思ったのですが、
大学主催のイベントということと、北海道の参加者がほとんどということで、
若干リミッターをかけたのかな。
いしかわさんの「北海道のマンガ家は線が粗い」という発言こそありましたが…

そのぶん、笹峯さんの出身地である鹿児島については結構ヒドいこと言ってましたW

ただ、笹峯さんが北海道独特の話題であっても結構共感するといった発言をされていましたが、
文化の中央と、中央から隔絶した辺境という観点で理解できたのです。


あと、なんかの発言で、ツッこまれる大月さんが、大きい身振りで
「ディスってないから、ディスってないから」と言ったのですが、

リアルに「ディスる」と言う50代を、僕は初めて見ましたw。




と、おおむね満足なイベントでしたが、テーマがテーマですから、
マンガ家個人の技術論から、比較文化論的な内容まで、
若干議論が広がりすぎてしまった観はあります。

だから、2時間の時間内では、語りつくせない話題もあったようで、

岡田さんが「アオイホノオの話ができなかった」などと
壇上で言っていたのも印象的でした。

現在「ゲッサン」で連載中の「アオイホノオ」では、
岡田さん大活躍ですからね。

以前、夏コミで岡田さんのサークルが、アオイホノオのキャラである
岡田斗司夫が、オレってスゴイやろオーラを背負っている島本さんの絵の
Tシャツを売っているのを思い出しました。

そんな岡田さんの語る「アオイホノオ」聞きたかったなぁ。




そして、トークのあとは質問タイムです。

いろいろと聞きたいこともあったのですが、最後の質問タイムは
ほとんど質問ではなく、質問者の自分語りになってしまったので
時間が終了してしまいました。

たとえば、同じ雪国でたくさんのマンガ家を輩出しながらも、
「ガタケット」の根付いた新潟と、地方発信の大イベントが少ない札幌の差異とか、

広いから、官に依存する体質だから、だけでなく、
ほかにも理由があるような気がするのですけど。


まあ、今回話し残したことがあるのなら、それを含めて、
ぜひ第二回をやってほしいと思ったのです。



という気持ちで大満足のうちに、イベントが終了
畏友GMクンも大満足な様子でしたし、
「いしかわさんって結構デカいっスね」などと言ってました。

その後、回転すしで腹を満たしつつ感想をいったりして
GMクンと別れて帰宅をしたのでありました。

あー、面白かった。

次回があったらその時も参加します。



ライブといえば、次は、今週末、畏友P氏と参戦する
東京・渋谷で開催されるFJライブです。

今からワクテカです。







かつて、コミュニティー放送局FM「ラジオふらの」(富良野市)の
月曜午後五時からオンエアーしていた
FURANO History Factory(F.H.F.フラノヒストリーファクトリー)
のパーソナリティーをつとめていた
イトー×aniでした。
スポンサーサイト



Secret

TrackBackURL
→http://radiofhf.blog65.fc2.com/tb.php/1413-1e32f01a